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自己ベストとなった私の記録は
県の中でも上位に入ってくれたようで
私は関東大会に進めることになった。
もちろん苺花先輩と岩本先輩も。
苺｢このままリレーも関東行っちゃおう！｣
｢絶対行きましょう！｣
『いいね〜！気合入ってるね〜！』
『頼もしいなぁ。』
後はリレーだけ。
最後に待機場所で先輩たちとそんな話していたら
急に緊張してきた。
｢ちょっと私トイレ行ってきていいですか？｣
苺｢えっ！今！？｣
｢なんか緊張しちゃって…すみません。｣
『早く行っておいで〜！』
私は小走りでトイレに向かった。
そして急いで用を済まし、戻ろうとすると
前から岩本先輩が歩いてきた。
待って。
え、どうしよどうしよ。
どんな顔して会えばいいの。
そう思っていたのはあっちも同じようで
私に気づくと視線を地面に移した。
よし。挨拶だけして通り過ぎよう。
そうしよう。
｢おつかれさ…｢吉田。｣
｢えっ、はい。｣
すれ違いざまに突然名前を呼ばれて
思わず立ち止まってしまった。
岩｢楽しんで走れよ。｣
｢……わかってます。｣
岩｢お前は誰のために走るの？｣
｢自分のためです。｣
岩｢よし、行ってこい。｣
｢はい！｣
岩本先輩が拳を突き出す。
私もそれに自分のを合わせた。
今は｢好きな人｣じゃなくて
｢尊敬する先輩｣。
岩｢吉田の力、他の学校に見せつけてこい。｣
｢任せてください！｣
岩本先輩の力が、拳を通じて
私に伝わってくる気がした。
今なら誰にも負けない気がする。
いや、誰にでも｢勝てる｣気がするよ。
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作者名：ひなの
| 作成日時：2021年7月22日 21時
