恋セヨオトメ【黄】 (ページ36)

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『きゃああああああー！！！！！』

耳をつんざくような女子たちの歓声。

それもそうだ。

今グラウンドでは上裸の男子たちによる
カラー対抗の騎馬戦が行われているのだから。

急に体操着を脱ぎ始めた時は男子の裸に耐性のない
女子たちからは悲鳴が上がったりもした。

だけど、競技が始まってしまえば
そんなことは忘れたかのように

｢かっこいい！｣の嵐。

まぁ私も例外ではなくて。

岩本先輩の上裸を見て、
心臓が止まりそうになった。

綺麗な逆三角形の身体にバキバキに割れた腹筋。

こんなん惚れないわけがない。

『岩本先輩やばくない！？』

『めちゃくちゃかっこいいんだけど！』

赤白帽を後ろ向きに被った岩本先輩が騎手の騎馬は
ラウが下で支えている。

そしてさすがとしか言いようがないくらい強い。

挟み撃ちにされたりしてもそれを華麗に避けて
違うカラーの騎馬の帽子を次々と取っていく。

とにかくかっこいい。

『さぁ！残すところ後3体となりました！
どのカラーが勝つのでしょうか！』

3体の騎馬は見つめ合いながら
ジリジリとお互いの距離を縮めている。

誰が仕掛けるか。

『頑張れー！！！！』

『岩本先輩頑張ってくださーい！！！！』

『いけー！！！！』

最初に動いたのは岩本先輩の騎馬だった。

赤色のバンドを腕に巻いた騎手に狙いを定め
真っ直ぐぶつかりに行く。

それを見た緑色のバンドを巻いた騎手が乗る騎馬は
岩本先輩の帽子を狙って近づいてきた。

あっ！取られちゃう！と思った瞬間、
岩本先輩はくるりと身体の向きを変えて

近づいてきた騎手の帽子を
あっという間に奪い取った。

そしてすぐに体勢を直し、
そのまま目の前の騎手の帽子も
簡単にとってしまった。

わぁぁぁぁぁ！！！！！！

割れんばかりの歓声がグラウンドに響き渡る。

騎馬の上でガッツポーズを決める岩本先輩を見て
心の底からかっこいいと思った。

私の好きな人はここでも無敵なようだ。