恋セヨオトメ【黄】 (ページ4)

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｢えっ、3年生いないの？｣

『なんか今日進路面談なんだって。』

｢そーなんだ。｣

トラックを軽く走っていると、
妙に人数が少ないことに気がついた。

聞いてみると、今日は最後まで来ないらしい。

それを聞いて少しほっとしてしまった私は
これからこの部活でやっていけるのだろうか。

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『なにか事務連絡ある人いますか。』

『ないようなので今日はこれで終わります。
お疲れ様でした。』

『『お疲れ様でした。』』

今日は3年生がいないということもあって、
練習は早めに終わった。

だけど私的には走り足りなくて
残って自主練をすることにした。

『さすがAだね。頑張って！』

｢うん。ありがとう！また明日ね！｣

陸部の中でも仲のいい友だちを見送り、
私はトラックへ戻った。

2年生になってから自己ベストが出ていない。

むしろタイムは落ちている。

｢はぁ…はぁ…｣

足の回転が遅い。

腕も上手く振れてない。

走れば走るほど
直すべきところばかりが出てきて、嫌になる。

それでも私は走るしかない。

陸上は自分との戦いだから。

｢よし。もっかい…｣

息を整えて、もう一度スタートラインに立つ。

そしてゆっくりとしゃがんで、
スターティングブロックに足をかけた。

大会を想像する。

周りには足の速い人たちがたくさんいる

だけど1位になれるのは、ひとりだけ。

…………パァン!!

私は死ぬ気で走った。

誰よりも速い自分を想像して。

『タイム計んねーと意味ないぞ。』

100mを走りきって、肩で息をしていると
どこかからそんな声が聞こえた。