Lily【dtnb】 (ページ17)

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never ending story.2 ページ17

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「テレビで見てるやつだーってなってる」

「生クッキング？」

「最近早起きになってさ、結構見てる」

しょうたはメンバーの仕事、意外とよく見てて、
恥ずかしいのか多くは語らないけど
ぽつりとコメントしてたりする。

ふれないけど、しょうたにとって
俺の影響力が特に強めだってことは
何となく気づいてた。

まさか、起きる時間まで変えてしまうとは
思ってなかったけど。

「あれは、朝から楽しくなるわ」

「視聴者さんにも、そう思っていただけてるかな」

「いただけてるよ」

視聴者代表がここにいんだろ、と言わんばかり。
思わず笑みがこぼれる。

「お、いいにおい！」

しょうたが楽しそうに頭を揺らして
こちらをのぞいてくる。

今は、ひき肉ときのこをバター醤油で炒めているところ。
これを隣でゆでているパスタとからめて、準備はおわり。

食にこだわりがなく少食なしょうたが
好きそうな味つけで、食べやすいものを、
少量ずつ用意した。

「もうすぐ出来るよ。何飲む？
　持ってきてくれたけど、
　しょうたワインはあんまり飲まないよね？
　ハイボールとか？」

「ん、ハイボールにしよっかな」

「了解」

そう答えるとカウンター越しにいたしょうたが、
とててっとキッチンの方にやって来る。

「出来たやつ、持ってく」

「ありがとう、お願いします」

まるで子どものお手伝いみたいだ。

具材とからめたパスタを盛り付け、小葱をちらす。

「うわっ、うまそー！」

持っていってまた戻ってきたしょうたが、
パスタを見て、これまた子どものように
歓声をあげる。

「絶対俺これ好きなやつ！」

うん、好きそうなやつにしたからね。
しょうたトマト苦手だし、きのこ好きだし。
しょうたの反応は子どもの頃と変わらなくて、
目黒やラウールがバブいと揶揄するのも頷ける。

ボトルに水を注ぎ、マシンにセットする。

「うおっ、何これ？」

「これでガスを入れると炭酸水になるの」

ボタンを押し込んで、ガスを注入してみせると
目をまるくして、すげーと声をもらす。

「これ、いい？」

「炭酸水よく飲むなら、買いだね。
　買って運ぶ煩わしさも、置くスペースもゴミも減るし」

「…それは、いいな…」

しょうたはあごに手を当てて、考えこんでいる。
買うことを本気で検討している様子。

「もし本当に買うときは、言うから」

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