僕の彼女になってよ。 (ページ37)

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ふっかさんのお家の片付けをして、阿部ちゃんが送ってくれると言ってくれて申し訳ないなって思っていたら。
わたしの住所を知ると、蓮に申し訳ないだなんて可愛い顔で言い出した。

「着いた、じゃあAさん。お休みなさい」

…本当に、蓮のマンションの前にタクシーが停まって。
また可愛い笑顔で、阿部ちゃんは帰ってしまった。

…蓮、起きてるかな。
携帯を見たら、時間は24:00過ぎ。
また明日ねって皆が言っていたから、朝早くないのかな。

でも降りてしまったし。
蓮に、誕生日プレゼントもまだ渡せてない。

息を吐いて、インターホンを鳴らすとすぐにエントランスが開く。
…起きてる。

「なるほどね」

『え、何が？』

「ここまで送ってくれたの、阿部ちゃんだったでしょ？」

『…うん。何で分かったの？』

「あはは、やっぱり。そういうことか、流石だなぁ」

『ねえ、何の話？』

「いいのいいの。…今日会えて嬉しかった」

蓮が何のことを言ってるのかはよく分からないけど、ふわっと抱き締められて蓮の香りが強くなる。
さっきまで無邪気に皆で笑っていた顔とは、また違う表情にドキッとする。

『私も。』

「忙しいのに、ありがとう」

『…ううん、日付もう変わっちゃったね』

「来年も、一緒に過ごせるように頑張るね」

身体が宙に浮いた感覚がしたら、蓮が私を抱えていて。
咄嗟に抱きついたら、顔が近い。

『…綺麗な顔』

「…綺麗なのは翔太くんじゃなかったっけ？」

『え』

「あはは、嘘だよ。あのさ、Aさん」

『…うん』

「誕生日プレゼント、貰うね」

私を抱えて蓮が向かった、真っ白な部屋。
視界が低くなったと思ったら、身体がリネンに触れる感覚がして深いキスが降って来て。

…蓮の言う「誕生日プレゼント」の意味を理解したのは、キスの後に大きな手が素肌に触れたから。