僕の彼女になってよ。 (ページ25)

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今までは触れるだけの軽いキスだったし、今日もそのつもりだった。
でも。唇をそっと離そうとしたら、Aさんの唇がまた触れるから一気に身体が熱を帯びるのが分かる。
…これ以上は、マジでヤバい。

「…Aさん、俺さ」

ピンポーン

「…」

ピンポーン

「…誰だ、こんな時間に」

チラッとAさんを見たら、天使みたいな顔で笑う。
いや、やっぱり小悪魔かも知れない。

モニターを見たら、よく見たことのある顔が映ってて。

「…どした？」

「めめ、開けてー！！！」

『…今の声って』

「…康二」

『ごめん、私帰ろうか』

「いや、大丈夫。」

…何で康二？
俺もよく分からなくて、取り敢えずエントランスを解錠したのは良いけど。
今度はすぐに玄関が鳴らされるから、開けたらすぐに康二が部屋に入って行く。

「ごめんなぁ、鍵どっかに忘れてもうて。マネージャーに探して貰ってるねんけど時間掛かりそうやったから、めめん家来ちゃって…あれ」

『こんばんは』

「こんばんは！…え？え？」

Aさんの挨拶に条件反射ですぐ答えた康二。
でも、すぐに自分の置かれてる状況がよく分からなくなったみたいで俺とAさんの顔を交互に見て混乱してる。

「え！何で？！鍋パでもしてたん？何で誘ってくれへんの？！」

『あ、今日は鍋パではなくて』

「ほな、たこパ？！俺得意なやつやん！余計呼んで欲しかったわ！てかめめたこ焼き器いつ買ったん？聞いてへん」

「いや、たこパじゃなくて」

「ほな、何パ？！」