僕の彼女になってよ。 (ページ24)

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Aさんが、メンバーと仲良くしてくれるのは嬉しい。
だけど最近やっぱ玉森くんとの映画の仕事で忙しくて会える時間が減ってるな、と感じたらプライベートでたまたま出会したメンバーのことが羨ましいなとちょっと思わなくもない訳で。

何か、小動物みたいで可愛いから少しだけからかってみたくなった。
単なる、俺の気紛れなんだけど。

暫く手を繋いで歩いてたけど、うちまでは距離があるから流石にタクシーを拾う。
疲れてるのか、Aさんの頭が肩に乗ってる。
可愛い。
ずっと見てられるなって思ってたら、意外に早く着いた。

「どうぞ、お姫様」

『その呼び方、やめない？』

「誰が言い出した訳でもなく、定着してるから」

『王子様みたいな軍団に？』

「ふはは、軍団！」

Aさんはアーティストだけあって言葉選びが面白いし、頭の回転が早いから阿部ちゃんとの会話も盛り上がってて。
微笑ましかったな。
あべA。…バズりそう。

「…良いところ見つけるのが好きなんだよね？」

『うん』

「じゃあ、目黒蓮の良いところはどこでしょう」

『格好良い』

「…うん」

『面白い』

「うん」

『優しい』

「うん」

『意外とレディーファースト』

「意外と？…まあいいや、うん」

『マイペース』

「…褒めてる？それ」

『声が好き、あと歌声も良いでしょ、ダンスもしなやか。』

「…ストップ。もういいや、恥ずかしくなってきた」

『瞳が綺麗、笑顔が可愛い』

「だから、もういいって」

自分で話をふっておきながら、Aさんが止まらずに褒め続けるから。
恥ずかしいから止めようと思ったのが半分、嬉しいのが半分の気持ちでまだ何か言い掛けたAさんの唇をキスで塞いだ。