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そんな二人の間に今、新たな問題が一つ。
「ねぇ、亮平、そろそろ、いいんじゃないかな……？」
阿部「……やだ。」
「で、でも、もうチャイムなったから校舎しまっちゃうよ」
そう。
私達は再会してまだそんなに時間が経っていないのだが、学校という場所には時間の制限がある。
たまたま今日は顧問の私情でお休みだった美術室は人がいないからいいものの、それでも下校時間は来るわけで……
大人しく従おうとする私と、大人でましてや先生なのに、私を抱きしめたまま動こうとしない亮平。
阿部「……Aは寂しくないの？」
可愛く首をかしげて見つめたって、時間は待ってくれないのに。
その聞き方はずるい。
「寂しいとかじゃなくて、とりあえず帰らないと……」
そりゃあ、私だって寂しいけど！
もっともっと、話したいことたくさんあるけど！
阿部「……一緒に帰れたらなぁ。」
亮平のその声は寂しさに溢れてて。
今の私達は幼馴染であって、幼馴染じゃない。
一緒の家に帰ることは出来ない。
「…またすぐ学校で会えるよ？」
阿部「明日土曜日だよ。」
「……」
阿部「まだ一緒に居たい。」
「それは、私も、だけど……」
阿部「……じゃあ明日、俺の家来てくれない？」
「え、家？あっ、でも亮平の家って……」
渡辺家のみんなの事もあるし、亮平の家に行くことで椎名家の家族に会ってしまったら……。
阿部「……俺一人暮らしだから、大丈夫だよ。」
「えっ、あっ、そうなの……？じゃあ行こうかな？」
阿部「うん。まあ逆に危機感持ってほしいところもあるけど。」
「ん？」
阿部「じゃあ明日。迎えに行くから。」
約束を取り決めたことで、さっきよりは少しだけ亮平は元気を取り戻していた。
そんな亮平に「最後に10秒だけ！」なんてかわいく言われたら、怒ることも出来なくて。
結局30秒になったけど、私は亮平に大人しく抱きしめられたのだった。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
