176 Abe side ページ27
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「おはようございまーす。」
「阿部せんせー！おはよー！」
阿部「はい、おはよう。」
校門前に立ちながら、生徒達に挨拶を返す。
今日から1週間は先生達交代制で、誰よりも早く門を開けて生徒達を迎え入れる。
昔から、朝は苦手だった。
それは大人になっても変わらず。
Aが出てくる優しい夢を見た朝なんかはとくに。
岩本「っわり、遅くなった、」
阿部「ふふ、照おはよう。全然大丈夫だよ。」
予定より5分遅れで照が横に並ぶ。
岩本「……なんか、最近朝から元気だな？」
阿部「あー……、そうかな？」
と、答えつつ、思わずにやけてしまう。
そんな俺を照は不審そうに見ながら「まぁしあわせそうでいいけど。」なんて彼の人柄が出る言葉を吐いて、また生徒達に向かって挨拶を再開する。
相変わらず朝は少し辛いけど、最近は毎朝彼女の居る現実に頬が緩んでしまい起きるのも苦じゃない。
彼女と付き合ってから、朝起きてすぐスマホからメッセージを送ることがルーティンとなっていて、俺の「おはよう」に彼女が「おはよ〜」と返してくる。
昔のように隣の家から起こしにやってくることはないけれど、そんなやりとりだけで憂鬱な朝も、週明けの月曜日も、嘘みたいに晴れやかに迎えられる。
好きな人がいる世界というのは、こんなに浮かれてしまうのかと自分でも呆れてしまうほど。
渡辺「阿部ちゃん、おはよー」
阿部「おはよう。って、コラ、先生を付けなさい。」
「おはようございます、阿部先生……？」
先生とも思ってなさそうな渡辺と、その隣に立つ愛しい彼女の姿。
あぁ。今日はポニーテールなんだなぁ。
マフラーに殆ど顔を食べられててかわいいなぁ。
って、思わず見とれてる自分にハッとする。
阿部「っ、おはよう。」
渡辺「……」
慌てて挨拶を返す俺と隣のAを交互に見て、何かを察したように「え、そういう感じ？」と呟いた渡辺を彼女が引っ張って行く。
彼女が未成年の間は、付き合っていることを口外はしない。
それは、俺を守るために彼女が決めたルールであり、俺自身も彼女を守るために自分に課した課題。
……そうなんだけど！わかってるけど！
ふとした時にAへの愛しさでどうしようもなくなる俺。
今まで会いたいと願いすぎたからかな。
毎日Aへの愛しさが増してしまう、そんな嘘みたいにしあわせな日々。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
