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阿部「お待たせ、……A？どうかした？」
何も知らない亮平は両手に緑とピンクのコップを持って、アルバムを前に固まっている私を不思議そうに見る。
あなたのせいだよ、もう！なんて、心で悪態つきながらも、平然を装うしかなくて。
「いや？！なんでも？！どれ見ようか迷っちゃって！」
そんな私の苦し紛れの嘘に、亮平は首を傾げながら、彼女の写真をアルバムに挟んでおいていることなんて覚えてない様子で、テーブルの上に温かなココアが入ったコップを置いた。
「や、やっぱり中学かな〜！？」
阿部「？」
素直に彼女と思われる人の写真を見たっていえばいいのかもしれないけど……。
私と亮平って中学以来の会話だから、"彼女"なんてワードとか使うの恥ずかしいんだよね。
……思い出すだけで心臓がズキズキ痛むし。
気持ちを切り替えようと慌てて手に取った中学のアルバム。
ピッチリ第一ボタンまで閉めてアルバムに並ぶ亮平の顔は、私が知っていた頃よりも少しだけ痩せて見える。
阿部「あー……。まあ、この写真、前を向き始めたみたいな時期だから。うわ、ちょっとというか、だいぶ恥ずかしいな……」
私の沈黙に何かを察したのか亮平は端切れ悪くそう補足しながら、自分の頭をグシャりとかいた。
そんな亮平に何も言えず、静かにアルバムに視線を戻すと亮平が肩を組まれて笑う写真が目に止まる。
そして隣には懐かしいあの人の写真。
「ふっか、」
最近会ったばかりだけど、子どもの頃のふっかを見るとなんだか懐かしい気持ちになる。
あの頃は、よく3人で過ごしてたんだよなぁ。
阿部「ふっかとはね、今も仲良しなんだよ」
「ふふ、変わらないっていいね。」
昔三人でよく行ったゲームセンター、何故か亮平とふっかは仲がいいのにゲームセンターでは張り合ってたなぁ。
思い返すと楽しい思い出ばかりだ。
「懐かしいなぁ。」
阿部「……。まあ今のふっかはハゲできてるけどね。」
亮平、なんだか不機嫌そう？
「えぇ？！そんなことなかったけどなぁ？」
阿部「…ねぇ…なんでわかるの？」
「だってこの間……、っあ、」
ふっかと会ったこと、まだ亮平には言ってなかった……！
阿部「……どういうことか説明してくれるよね？」
つい口を滑らせて慌てる私とは正反対に、亮平は静かにニコリと笑った。
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たぬ(プロフ) - 朝桐さん» 最後まで読んで頂けただけでも嬉しいのに、宝石みたいにキラキラした素敵な感想をありがとうございます。頂いた言葉全てが宝物です。こちらこそ出逢ってくださりありがとうございました。 (3月21日 23時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！涙なしでは見れなくて、とても生きててよかったと、見れてよかったと。運命といいますか奇跡にただ救われました。執筆活動お疲れ様です。今後のたぬ様の日々が愛に溢れますように。本当にありがとうございました！ (3月18日 22時) (レス) @page43 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - みみみさん» お読み頂き、素敵な感想までありがとうございます。楽しんで頂けたのなら本当にすごく嬉しいです！こちらこそ、ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 今日初めて見つけたこの作品、１話から今まで全部いっきに読みました☆本当に素敵な作品でした😊ありがとうございました！！ (9月2日 17時) (レス) @page43 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 桜色さん» とっても優しくて愛のある感想を送ってくださってありがとうございます。どの言葉もとても勿体ないくらいですごく嬉しいです。最後まで読んで下さってこんな素敵な感想まで下さって、こちらこそありがとうございます！ (6月5日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年8月24日 22時
