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練習が終わって、ふみちゃんの隣に腰かける。
周央｢......ごめんね、情けないところ見せて｣
目黒｢いや、そんな...｣
周央｢康ちゃんとラウール、呼んできてもらっていい？｣
言われた通り2人を呼んで、壁にもたれかかっているふみちゃんを囲むように座った。
少し言いづらそうに閉所恐怖症のこと、パニック発作のことを教えてくれた。
周央｢だから...。カッとなっちゃったりとか、びっくりさせちゃうこともこれからあると思う｣
｢｢......｣｣
周央｢ごめんね康ちゃん、さっき怒っちゃったみたいで｣
向井｢俺もごめん。何も知らんかった｣
周央｢(首を横に振って)......男前姉さんとか言ってもらったりするけど、本当は私、めっちゃ弱いんだ｣
目黒｢...ふみちゃんは弱くないっすよ｣
目を伏せて苦笑いするふみちゃんに、気づけばそう言っていて。
俺の言葉に驚いたのか、目を丸くしたふみちゃんに見つめられる。
目黒｢今までふみちゃんがどんな苦労をしてきたとか、どんな思いをしてきたとか、俺らが完全に分かることはできないです。ふみちゃんも簡単に分かるよって言われたくないだろうし...｣
周央｢目黒くんは優しいね...｣
まだ知らないことばっかりだけど、俺なりにふみちゃんのことを知りながら支えたい。
ーーーーー
ラウール.
ラウ｢あの、ふみちゃん｣
周央｢ん？｣
ふみちゃんと事務所の椅子に並んで座っている時に、ふと思いついて聞いてみた。
ラウ｢ふみちゃんが怖いと思うものって何ですか？｣
周央｢えー、心霊とか...｣
ラウ｢そうじゃなくて、その...｣
周央｢......あー、狭いところとかってこと？｣
ラウ｢(頷く)｣
周央｢エレベーター、地下通路、満員電車......あっ、飛行機もちょっと怖かったかな｣
ラウ｢へぇ...｣
周央｢ディズニーシーにさ、海底2万マイルってあるやん？あれとか発狂しそうになる｣
ラウ｢えっ、なんで...？｣
俺も乗ったことはあるけど、そういう恐怖を理解はできなくて。
周央｢密閉された感じっていうか...。なんかアナウンスも相まってさ｣
ラウ｢ごめんなさい、よく分かんなくて...｣
周央｢いいやん、怖くないってことでしょ？｣
ラウ｢じゃあ...。鍾乳洞とかもですか？｣
周央｢そう！ラウール分かってんじゃん｣
ふみちゃんが抱えているトラウマが何かはまだ知らないけど、いつか話してくれたらいいな。
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作者名：燦
| 作成日時：2022年8月6日 13時
