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○2019年2月
宮舘.
史那の閉所恐怖症もだいぶ軽くなったと思う。
昔は怖いからって避けてきたエレベーターや満員電車、地下通路も最近は発作を起こさなくなった。
たまにパニックになってしまうこともあったけど、俺達も試行錯誤しながら支え方を覚えて。
周央｢はぁ......っ｣
練習が始まる前、隣に座っていた史那が俺の腕を掴んできた。
宮舘｢史那？｣
周央｢ごめ、っ......やばいかも...｣
うずくまって呼吸を整えようとする姿を見て、すぐに状況を理解した。
さっきエレベーターに乗ったのがいけなかったのかもしれない...。
周央｢もう、なんで今なん...｣
自分にイライラしている史那に掴まれた手はそのままで、空いている右手で背中をさする。
こういう時は声はかけずに、ただ背中をさすってあげれば落ちつくみたい。
ラウ｢ふ、ふみちゃん？｣
目黒｢えっ、翔太くん...｣
渡辺｢涼太に任せよ。声かけずにそっと...｣
向井｢ふみちゃん、大丈夫？｣
宮舘｢っ、康二、今は...｣
周央｢...大丈夫？大丈夫じゃないからこうなってるんやん｣
まずい...。
そう思って史那の名前を呼びながら背中をさすったけど遅かった。
周央｢死ぬかもしれんくらい苦しいの分からんやろ！？｣
向井｢ご、ごめん...｣
深澤｢(周央の前でしゃがんで)ふみ、俺の声聞こえる？｣
周央｢っ、分かんないもう...！｣
今日はかなり苦しそう...。
カッとなってしまったからか、なかなか呼吸が整わない。
宮舘｢ごめん、ちょっと俺とふっかだけにしてくれる？｣
岩本｢分かった。みんな外で待っとこ｣
ーーーーー
目黒.
加入して1ヶ月。あんなふみちゃんは初めて見た。
岩本｢さっきみたいにイライラしてる時は、ちょっとしたきっかけで爆発しちゃうから...。
康二ごめんね、びっくりしたよね｣
向井｢いや、全然...｣
佐久間｢俺らも最初は怒らせちゃったりしてたし、気長に付き合うことしかできないのがもどかしいけど...｣
俺達もふみちゃんのことをもっと知らないといけない。
深澤｢(ドアを開けて)もう落ちついたよ｣
阿部｢今どんな感じ？｣
深澤｢んー、ちょっと練習参加できるか怪しいから、しばらく様子見るわ｣
レッスン場に入ると、舘さんの腕を掴みながら背中をトントンされているふみちゃんが目に入る。
すっかり落ちついたみたいで安心した。
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作者名：燦
| 作成日時：2022年8月6日 13時
