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ー｢ね、単位どうだった？｣
｢え？あ、ちょっとよくわからない｣
｢察しました｣
ポカポカと、暖かな陽気の春。
お互い二年生になり、のんびりとした生活を送っていた。
今日は一緒に、少しお高めのお寿司を食べに行って。
普通で何気ない日々。幸せで。
｢それじゃ、また今度ね｣
｢うん、おやすみ｣
私の家の前。
怜央くんはキョロキョロと辺りを見回し、誰もいないことを確認するとそっと唇を重ねた。
遠くなる姿を、見えなくなるまで見送って。
これが春休み最後のデートだったから、また当分会えない。
お互い二十歳になったら、一緒に住みたいな……なんて。
｢あ｣
そうだ。おばあちゃんに砂糖買ってきてって。
頼まれてたんだった、忘れてた！
良かった気づいて。
私は送ってもらった道を逆戻り。
いつも行っている、スーパーへ向かった。
本当は砂糖だけの予定だったのに
いつの間にかカゴには、お菓子やらジュースやらが入っている。
……や、一人で食べません！
しかも知らないうちに無くなってるから！
なんて言い訳をしながらレジへ向かう。
その時だった。
｢あら、A様……？｣
｢ぇ……｣
聞きなれた、落ち着いた声のする方を向けば
そこには小さな赤いバッグを持った宮園さんがいた。
結婚式から、会っていない。気まづくて。
ペコリと会釈をすれば、宮園さんはトコトコと私に近づいてきた。
｢お久しぶりです。元気そうで何より。
……また会えて、良かったです｣
｢お久しぶりです。えっと……｣
返す言葉が見つからなくて。
しどろもどろになりながら、必死にフル回転させる頭。
多分宮園さんだって、私のこと良く思ってないはずだ。
｢……ごめんなさい、廉様が迷惑かけて｣
｢え？そ、そんな……！私こそ……ごめんなさい｣
｢A様が謝ることなんてありませんよ。
もう会えなくなる前に、ずっと伝えたくて｣
宮園さんが、安心したように微笑む。
違和感を感じた。……もう、会えなくなる？
何、それ。
｢三日後。お母様、廉様、私引っ越すんです｣
あまりにもキョトンとした顔をしていたのか。
変わらないニコニコした表情で、宮園さんは言った。
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ろいなな - 主人公がどっちと幸せになるのか、ドキドキハラハラしつつ、どこか切ない感情が湧いてきて、ラストの予想外の展開に驚き、読み終わる頃には感動の溜め息を溢してしまいました。とても面白かったです！ (2019年7月12日 21時) (
レス) id: 867fd5dec2 (このIDを非表示/違反報告)
ろいなな - 最初は廉くんの小説を読んでみたいという気持ちで読み始めたのですが、怜央くんも出ているのかと感激してしまい、一日中かけて読みきってしまいました…！ (2019年7月12日 21時) (レス) id: 867fd5dec2 (このIDを非表示/違反報告)
＃かのん(プロフ) - 受験が終わって、やっと解禁した｢雪月花の思い出｣。２日で読み終わってしまいました。はじめてれなさんの作品を拝見した時から、ずっとずっと大ファンです。本当に感動しました。この作品、大好きです！ (2019年2月16日 14時) (携帯から) (レス) id: f71de401a4 (このIDを非表示/違反報告)
輝 - 感動しすぎて、涙が止まりませんでした。こんなに感動して、心を動かされる作品を作れるれなさんを本当に尊敬します。ありがとう。 (2019年1月14日 2時) (レス) id: 4c9c32bd1b (このIDを非表示/違反報告)
なつき - とても感動しました。いつも、ありがとうございます。 (2019年1月13日 20時) (レス) id: c54ace13cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_t17)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=09...
作成日時：2017年2月10日 17時
