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「行ける、かな」


「無理せんでええよ。怜央も知ってるんやろ?
俺らも嬉しい報告出来るやん」


「……ふふ、そうだね」


廉が屈み──そっと私のお腹に顔を近づける。


大きな手のひらが、下腹部を優しく撫でた。


「今何してるん〜?元気〜?」


その途端。


ポコッと蹴られた感覚。今日もすごく活発だ。


「廉、親バカになりそうだね」


今年の冬。女の子を、授かった。


つわりも酷くなって、体調不良が続く日々だけれど。


生まれてくるこの子を思えば、どうってことない。


ちょうど予定日が、怜央くんの結婚式付近で。


行けない可能性、大なんだよね……。


「なぁなぁ」


「んー?」


「……何かめっちゃ言いたくなるときあるねん」


廉は姿勢を元に戻す。


染め直した茶髪が色っぽく目にかかり、わずかに跳ねた心臓。


真顔になったかと思えば、クシャッと幼く笑って。


……あ、それ。照れたときの、癖だ。


と思うのもつかの間。


ギュッと、いきなり私を抱きしめた。






「愛してる」





ー雪月花の思い出 ENDー

あとがき→←166ページ



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設定タグ:永瀬廉 , 長妻怜央   
作品ジャンル:恋愛
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ろいなな - 主人公がどっちと幸せになるのか、ドキドキハラハラしつつ、どこか切ない感情が湧いてきて、ラストの予想外の展開に驚き、読み終わる頃には感動の溜め息を溢してしまいました。とても面白かったです! (2019年7月12日 21時) (レス) id: 867fd5dec2 (このIDを非表示/違反報告)
ろいなな - 最初は廉くんの小説を読んでみたいという気持ちで読み始めたのですが、怜央くんも出ているのかと感激してしまい、一日中かけて読みきってしまいました…! (2019年7月12日 21時) (レス) id: 867fd5dec2 (このIDを非表示/違反報告)
#かのん(プロフ) - 受験が終わって、やっと解禁した「雪月花の思い出」。2日で読み終わってしまいました。はじめてれなさんの作品を拝見した時から、ずっとずっと大ファンです。本当に感動しました。この作品、大好きです! (2019年2月16日 14時) (携帯から) (レス) id: f71de401a4 (このIDを非表示/違反報告)
- 感動しすぎて、涙が止まりませんでした。こんなに感動して、心を動かされる作品を作れるれなさんを本当に尊敬します。ありがとう。 (2019年1月14日 2時) (レス) id: 4c9c32bd1b (このIDを非表示/違反報告)
なつき - とても感動しました。いつも、ありがとうございます。 (2019年1月13日 20時) (レス) id: c54ace13cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れなさん | 作者ホームページ:れなちゃん(@pinky_t17)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=09...  
作成日時:2017年2月10日 17時

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