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「でも、京介までもが大事に至らなくてよかったよ」
そう言って微笑むと安心したのか、京介の強ばっていた表情がみるみる内に解けていった。
「京介、風邪引くと良くないから。風呂入っておいで。この子はその間俺が看とく」
「…ならお言葉に甘えて。すまない、兄さん」
「ああ、いいよ」
何度も謝罪を口にする京介が、本当に申し訳なさそうにリビングを後にする姿を見送って、
俺は乗っていた車椅子から、静かに床へと腰を下ろす。
少しだけ、彼女と距離が近くなった。
そんな彼女に目を向ける。
そうか。
この子が、京介の言っていた彼女か。
『大事にしたいって、そう思える子なんだ』
いつだったか、いつもは素直になれない京介がそう頬を赤らめて言ってくれていたことを思い出す。
長い睫毛はそっと伏せられていて、陶器のような白い肌に添えられた薄紅色の頬に色っぽさを感じさせた。
頬に貼り付いた髪の毛を退けて手を当てがうと、ふにゃりと彼女の熱くて赤い頬が緩んだ。
心做しかドキッと、胸の内が弾むのを感じた。
更に、雨に濡れたブラウスから、レース調のインナーが透けていて、それらの因子が俺の理性を危うく飛ばしかける。
身体に伸ばしかけていた手を、瞬時に引っ込めた。
だめだ。
だめだ。
俺は何をしようとしている。
弟の彼女に対して。
このままじゃ、彼女を襲った奴らと何ら変わりがないじゃないか。
彼女にかかったバスタオルを更に覆って、もう見まいと身体を背けたその時だった。
ぎゅっと、俺の腰に回る弱々しい華奢な白い腕。
背中にかかる僅かな重りと香り。
「行かないで」
小さくて甘い囁き。
「…A…さん？」
ーー彼女が、目を覚ましたらしい。
「京介、やだ。行かないで」
「京介…？」
その言葉に、さっと血の気が引くのを感じる。
そうか、この子は俺と京介を間違えて…
「Aさん。俺は、京介の兄の、優一だよ」
「京介…京介…！」
平然を装い指摘するも、その声は届かなかったのか、彼女の腕に更に力がこもる。
抜け出そうにも、俺は下半身不随を患っていることから上半身の力だけではその腕から上手く抜けられなかった。
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櫻田海桜 - また、更新再開してほしいです。 (2023年4月10日 14時) (
レス) @page19 id: 00142467d6 (このIDを非表示/違反報告)
風神ノ舞(プロフ) - お久しぶりです。って言っても覚えてなくて当然ですが、恋ふぶきで神童君をリクした元風丸渚です。リク大丈夫でしょうか？天馬君や竹見君の後で構いませんが、雪村君お願いできますでしょうか？ (2019年5月1日 17時) (レス) id: 02f1e78801 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 名前変更したのですが、すいです。お返事ありがとうございます！メインキャラでは無いのですが、竹見幸助くんなどは大丈夫でしょうか？難しいようでしたら断っていただいても構いません...！ (2019年5月1日 9時) (レス) id: 2701b73a88 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すいさん» いつも読んで頂きありがとうございます！！はい！リクエスト承っておりますよーっ！ (2019年5月1日 7時) (レス) id: 40379c818e (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - はじめまして、彼方さんの小説いつも楽しみにしております。突然ですみませんが、リクエストなどは大丈夫でしょうか？ (2019年5月1日 5時) (レス) id: 2701b73a88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年4月30日 14時
