08ｰ1 皇帝の恋煩い【野坂悠馬】 ページ16
僕は今、悩みを抱えている。
1つは、脳腫瘍。
アレスの天秤システムの誤りを突きつける為の唯一の証拠だった。
とはいっても。
もう既に治療は終えていて、後は再発のないよう内服薬でコントロールしていこう、という話になっていて、この悩みは実質ないものと同様である。
また1つに、チームメイトのあまりの勉強の効率の悪さ。
と、目の前で問題集と対面しながらうーんと唸る明日人くんたちにこんなこと、口が裂けても言えないし言わない。
これもまた、僕に直接的な影響は特にないから、これも悩みがないものと同様。
そして重大な3つ目。
「.......すぅ」
「起きて、A」
隣で問題集を枕に突っ伏して眠る、愛しい彼女のA。
これが、僕を狂わせる最大の悩みの子。
「....やだ、無理、もっと寝る」
と言うと、少しだけ体勢を変えて、また眠りにつこうとする。
僕はそんなAの身体をゆする。しかし、彼女はやだやだと駄々をこねるばかりで起きる気配が伺えない。
もういっその事、自室で寝たらいいのに。
Aの可愛い寝顔を他の人に見せたくないから、尚更。
....いや、待て。
「...A。そもそも今日中にみんなで課題終わらせるんじゃなかったの」
「んん、まだ余裕....」
ってもう、提出日の前日の夕方なんだけど。
この子はまた徹夜コースへ持っていくのではないだろうか。
そうなってしまったら明日、睡眠不足の影響でところ構わずすやりと眠ってしまうAの姿が目に見えている。
第一、彼女には前科があるから。
いつだったか、前にあった課題の提出日の次の日、ここから少し歩いた、船着場の柱にもたれて眠るAの姿が発見された。
その前の定期試験明けには、玄関。
その前の前は、何故か僕の部屋の前。
だからこそ僕は、Aが心配してやまない。
選手の明日人くんや僕、それにマネージャーのAたちは、FFIの関係で長期に渡って学校を空けることになるから、その分の埋め合わせにどさりと大量の課題を出されていた。
僕を始め確か、西蔭、一星くん、万作くんに円堂さんを除いた先輩たち、杏奈さんや大谷さんは、もう既に終わらせている。
だからこうして他のメンバーの課題の手伝いとやらに付き合わされている所だ。
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Setsuki.(プロフ) - 風丸の話の時に彗星ガールズの歌詞の一部があって感動しました！← (2019年3月28日 21時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - 彼方さん» 有難うございます(感涙)！ (2019年3月17日 10時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - Zeroさん» リクエストありがとうございます！話数の関係でもしかしたら次の小説に移動しちゃいますがまたその都度更新させていただきますね(*´`) (2019年3月16日 19時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
Zero - リクエストお願いします!!難しいと思いますけど､不動さんって書けますか?無理だったら全然良いです!! (2019年3月16日 15時) (レス) id: fec557507a (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 妄想乙娘さん» 全て読んでいただけたんですね！(；＿；)とても嬉しいです！これからも頑張ります！ありがとうございます(〃´-`〃) (2019年3月12日 21時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2019年3月4日 8時
