第39話 ページ41
ヴィルside
撮影が終わって、寮に戻る。
「ふぅ…疲れたわね。今日はどのパックしようかしら。」
廊下を歩いていると、ルークの部屋から何やら賑やかな話し声が聞こえた。
「あら?この声って…」
立ち聞きするなんて気が進まなかったが、あの子の…Aの声が聞こえ、思わず耳を立ててしまった。
扉越しに、会話が聞こえる。
ルーク「そう、こういう風にアイラインを…」
『え?これ合ってます?』
「あの子たち…何してるのかしら。」
内容から察するに、
どうやらルークがあの子にメイクのことを教えているらしい。
にしてもどうして?
あの二人、あんなに仲が良かったの?
『あ、この化粧品、確かネージュ・リュバンシェ君がCMやってましたよね。』
「!!」
突然聞こえたその名前に肩がピクリと反応する。
ルーク「ああ、知っているんだね。」
『はい、綺麗な人ですよね。』
心の中がもやもやとするのがわかった。
別にネージュのことなんか気にする必要ないのに。
Aがネージュを褒めるのが、なぜか気に食わなかった。
ルーク「君がそういう風に言うのは珍しいね。確かにロア・ドゥ・ネージュは美しい。君はあういう感じが好みなのかい?」
ルークがそう質問した。
私は、部屋の前を去ろうか迷った。
聞くのが少し怖かった。
どうしよう、あの子がもし頷いたら…____。
それでも、身体は動かなかった。
不思議だった。
どうしてこんなにアタシはあの子のことを気にかけているのだろう。
『いえ、私はやっぱりヴィルさんの美しさが好きです。』
ヴィル「っ!」
心臓がドクンと跳ねる。
『もちろん、自然体な感じのネージュ君も素敵だけど、ヴィルさんの洗練された美しさが好きです。
何時までも見ていたくなるような、つい目を奪われるような。きっと言葉すら要らない。』
どうしてか分からなかった。
そんな褒め言葉、もう言われ慣れてるはずだった。
でもあの子の口から聞こえる言葉で
どんどん自分の顔が紅潮していく。
ルーク「うん。わかるよ。君もそれに憧れたのだろう?」
『えへへ、バレてましたか…。』
急いでルークの部屋の前を離れた。
誰にも見られぬよう、口角のあがった口元を手で隠しながら廊下をツカツカと進む。
1539人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご - 自分に自信がなくっても変われちゃいますよね…!ツイステ関係なく一つの物語として楽しませてもらえました!!続きがとっても気になりますね!!私も主人公みたいに自分磨きやってみようと思います!!素敵な物語ありがとうございます!! (7月31日 16時) (レス) @page46 id: 7720c64697 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのだれか - アリアちゃんの姿ビフォーアフター欲し((((((まだ言うか あと大好きすぎる。俺のめっちゃタイプ (2021年2月24日 20時) (レス) id: 0560b64175 (このIDを非表示/違反報告)
full.(プロフ) - 有川 なつめさん» 確かに真逆すぎるヒロインですね笑笑笑。そういう風に解釈とか考察とかもらえるの嬉しい…!ありがとうございます! (2021年2月22日 23時) (レス) id: 73b8919793 (このIDを非表示/違反報告)
有川 なつめ - 一見みんなヘーゼル様だけじゃなくてアリアちゃんにも惚れてるやん、って思うかもだけど、この面では、2人が同一人物説は都合がいいよ。やっぱ美しいオーラはなかなか変わらないのかな? (2021年2月22日 22時) (レス) id: b1989a31af (このIDを非表示/違反報告)
有川 なつめ - この子ヘーゼル様の本名&昔の姿説だったらなんかエモいと思う。なんか監督生に、美は異性をねじ伏せるために使うものじゃないって伝えるためにまた名前と姿変えてNRCに戻ってきたのかも(んなわけないだろ) (2021年2月22日 22時) (レス) id: b1989a31af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:full. | 作者ホームページ:http://utanai.nosv.org/u.php/hptyomatu/
作成日時:2020年11月9日 18時