もっと強く抱きしめたなら。《岩本

Story…9 ページ9

そのまた翌日。


彼が休まず来てくれる保証もない。


気まぐれかもしれないし
めんどくさくなってるかもしれない。




『…来てくれる気がする』




彼のことをまだよく知らないけど

約束を破るような人には見えなかったから。





ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ



『…岩本くん』



”これで3日目？”


”やば…”




誰よりも先に彼に声を掛ける。



『おはようっ』


岩本
『おはよ』



油断したらニヤニヤしてしまいそうで

自分の手で頰を抑えた。



岩本
『なにやってんの。変顔の練習？』


『ち、違いますー！」


岩本
『それにしか見えねぇから』





”なんであんな仲良くなってんの？”


”…ムカつく”





ーーーーーーーーーーーーーー



ーお昼



『屋上なんて来たことない、、』


岩本
『だろうな』


『でも気持ちいいね…風とか、太陽とか』




思い切り顔を上げてみる。


澄み切った青空の下。


一人じゃないということ。


すべてが私には経験したことがない感覚だった。

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