縁 -a quirk of fate- 《目黒 (ページ29)

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Story…29 ページ29

ｶﾞﾁｬｯ

ﾊﾞﾀﾝｯ…

『涼太…？』

リビングに入ると

窓のところで立ったまま、外を見つめている姿があった。

宮舘
『…今から俺が言うことは勝手だと思うけど、ごめんね。』

『…っ。』

宮舘
『…なんとなくこんな日が来るんじゃないかってわかってた。』

『え…？』

宮舘
『わかってたから…そうならないように、俺は俺なりに必死だったんだ。』

…ゆっくりと振り返った涼太の目からは涙が溢れて。

宮舘
『…目黒じゃなくて、俺を選んでよ。』

『え…』

(回想)

舘
『…私を選んではくれないか？』

『…、、。』

舘
『…いつ如何なる時も必ず愛し、守ると誓おう。』

『舘様…』

舘
『貴方を…この手から離したくないんだ…っ、、。』

(今)

『…！！』

宮舘
『……。』

…そうか。

彼と私だけじゃない。

運命が巡り巡って…

宮舘
『どうして…俺じゃダメなんだよ。

…せっかく、生まれ変わって…また出会えたのに…っ。』

『涼太…っ。』

…遠い昔、物語の結末がどうなっていたのかを

鮮明に思い出し

『…っ。』

彼のもとへ急いで戻った方がいい。

…そう感じた瞬間。

宮舘
『…待って。』

『…！！』

…涼太の低い声が私の足を止める。