縁 -a quirk of fate- 《目黒 (ページ11)

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Story…11 ページ11

ーある日の夜

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…

電話が鳴ってるけれど

私は今料理を作ってる途中で、手が離せない。

あとで掛け直そう、そう思っていた。

宮舘
『A。』

『涼太？？』

宮舘
『鳴ってたから一応持ってきたんだけど

出るの厳しいかな？』

『わざわざごめんね。ありがとう。

そこに置いておいてくれると助かるかな。』

宮舘
『了解。』

着信が消える前、ほんの一瞬で

『…っ。』

”蓮”

…その名前を見た。

涼太は何も言わなかったし、表情も変わらなかったけれど

『…、、。』

強い不安に襲われてしまう。

掛け直すより先にソファーに座って待つ彼のもとへ。

『涼太…』

宮舘
『どうした？』

『…涼太は嫉妬とかしないんだったっけ。』

宮舘
『なに、急にそんなこと？』

『ごめん。変だよね。』

そう言ってキッチンへと戻ろうとした時。

宮舘
『…でも』

『え？』

宮舘
『…全くしないっていうのは嘘になる、かな。』

『…っ。』

宮舘
『だって離したくないほど、好きな人だからね。』

嬉しいと感じるこの気持ちに嘘はない。

愛されてるんだって。

…なのにどうして何だろう。