俺らの存在 ページ31
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Watanade said
少年たちを終えて、約1週間の休みをもらったから遠くのショッピングモールに出かけて帰ってくる時のことだった。
ピコンと通知音が聞こえて、スマホのアプリを開くとそれはふっかからで。
Aが俺ん家に居ないかってことだった。
渡「は…?!」
Aが俺ん家に来てるって? いや、来てたとしても今出かけてるから見ることは不可能だし…、
そう思って悩んでいると、今度はふっかから電話がかかってきた。
渡「ふっか?俺ん家にA来てないってなんかあった?」
深「いや、んー、ちょっと心配なことがあってさ、」
そう濁して話をするふっかに俺はどこか違和感を感じた。
俺には知られなくない何があるかのような言い方をしてたから。
渡「俺、今出かけてるから家に帰ったらまた連絡する」
深「ん、そうして」
そう言うと電話が切れた。
にしても、あのふっかの戸惑い方、なんか絶対隠してる。
それを突き止めるためにもさっさと帰んないと…。
そう思い、俺は急いで車を発進させた。
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渡「いや、いねぇし…、」
あの後、急いで帰ってきたはいいものの、ふっかが言っていたAは居なかった。
ふっかにA居ないって連絡をしながらロックを解除し、部屋へと足を進める。
いや、A居たわ。って連絡をすぐにふっかにし直すと、俺は俺の家の前にうずくまっているAに声をかけた。
渡「お前、いつからここにいた?」
「数十分前くらいから…、」
渡「…ったく、鍵開けるから中入れ」
小さく頷いたAは俺のあとをちょびちょび歩いてついてきた。
渡「お前、なんでここに来たわけ?」
リビングのソファにAを座らせると、俺はそうAに問いただした。
「…仕事の現場から1番近かったから、」
渡「仕事? 休みなんじゃねぇの?」
「…そうだったんだけど、急遽仕事になった。」
下を向きながら話すAの目は少し潤んでいて、
…あぁ、こいつもなんかあったんだなって思った。
渡「とりあえず、風呂入ってきて」
俺がAにそう言うと、少し驚いた顔をすると、うんって小さく頷いて風呂場へと歩いていった。
Aは仕事場でなんかあった訳でしょ、それをなんでふっかが知ってるのかって…
けど、多分、今この2人は合わせちゃいけねぇと思ったからAを風呂に進めた。
Aが風呂から出てきたらふっかを帰せばいいって俺は考えてた。
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作者名:suger | 作成日時:2021年12月5日 7時