派遣 ページ5
連れてこられたのはテーブルのある大きなお部屋。今からここでYouTubeの撮影をするらしい。
A「すご…おいしそう…」
目の前にはたくさんのケーキ。あんみつもある。
15種類×９人分の、ここはケーキ屋か！と言わんばかりのたくさんのケーキ。
私だって女ですから、ご他聞に漏れず甘いものは好きでして。ブラック会社に勤めていたときはケーキなんて食べている暇なかったし、辞めたら辞めたで買うお金を節約していたから…もう10年ほど食べていない…気がする…
こんなにたくさんのケーキを用意したけれど、おそらく半分以上は使われないらしい。
なんて豪勢なの、YouTube…余ったらくれよマジで…ひとつでいいから…
佐「すーーーげぇ！ケーキたくさん！」
渡「うわ！やば！」
賑やかな声に振り向くと、渡辺さんと佐久間さんの姿。他のみなさまはもうそれぞれの席に向かっていらっしゃる。
佐「今日は不○家さんの企画だもんねー！うまそー！」
渡「どうせ全員は食べられねぇんだろ」
佐「YouTubeだもんねー！」
楽しそうにお話ししていらっしゃるのはいいんだが…席に着かなくていいのか…
A「あの…他のみなさまはあちらに行かれてるんですけど、お二人はいいんですか…」
佐「んー？俺らはいいのー」
渡「てかあいつらに派遣されたし」
A「派遣…？」
佐「仲良くなってこーいって。俺らSnow Manのなかではちっさい２人だしさ、話しやすいんじゃないかって」
渡「話しやすさと背の高さは関係ないだろマジで」
A「おお、なるほど…」
話しやすさと背の高さは関係ないだろ…か。
確かにメンタル的な意味では関係ない。けど。
A「お気遣いありがとうございます…確かに話しやすいです」
渡「は？」
A「30cm差があると…首が痛くなるんです…」
佐「あーなるほどね？見上げなきゃなんないもんねー」
A「なので…お二人はありがたいです、ありがとうございます」
渡「嬉しくねぇ…」
A「すみません…」
申し訳ないけどこれは事実なのだ。
30cm違うともはや壁。近くで話すと首が痛くなる。ほどよい距離をとって斜めに見上げるくらいがちょうどいいのだ。
佐「まぁしょうがないよねー、こればっかはさ！俺だって好きでチビに生まれた訳じゃないもん」
渡「俺は170あるからな」
佐「なにそれ嫌味！？」
A「わたしは150もないですけどね」
佐「それはかわいいからいいの！」
…なにが違うと言うのだ…
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年10月22日 14時
