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A「みなさま何飲まれますか？あっ、フォークをお配りしますね…えーと…９本…」
待機部屋に入ってすぐ、働き出すAさん。ほんと真面目。
けど違うんすよね、今は…
それを察して、しょっぴーたちがAさんを座らせる。
岩「全員ケーキと飲み物もったかー」
全「うぇーい」
岩「はい、じゃあ楠さんの歓迎会はじめまーす」
全「うぇーい」
A「かっ…は？え？」
岩「楠さん、これからよろしくお願いします！」
全「よろしくおねがいしまーすっ！！」
岩本くんの音頭で乾杯が行われて。そっからはもうワチャワチャタイム。ここぞとばかりにAさんに話しかけに行くメンバーたち。
俺はそれを外から聞いてるだけ。へぇ、Aさん、佐久間くんたちと同い年なんだ。
宮「女性に年齢を聞くなんて、失礼なことをしたんだね…？」
佐「いや、あの、いや」
とたんに始まる小競り合い。
俺にとってはいつもの光景。だけど、それを見つめるAさんの表情がなんか…切なそう…？
目「Aさん、楽しめてます？」
座っているせいで尚更背が低いAさん。膝をついて目線が合うくらい。
目「なんか、切ない顔、してません？」
A「あ、いえ…なんかいいなぁって、こういうの」
目「こういうの？」
A「前の職場では、基本的にずっと一人で戦っていた感じなので…こういうの久しぶりというか」
ずっと一人…想像できない環境だ。
俺らは常に誰かと一緒だった。同期がいて、１人は仲がいいやつがいて、まわりには常にライバルがいて。
こんな顔させるなんて…どんな状況なんだろう。
あ、けど
目「久しぶりってことは前にもあったんだ」
A「中高の部活はほんとに青春してたので…それ以来かな、と」
岩「いい学生生活を送ったんですね」
向「Aちゃん何部やったん？」
A「あっ…合唱部で…」
佐「TARI TARIだ！」
向「なんそれ！」
阿「アニメだね」
渡「えっ、じゃあ喉のケアとか知ってる？」
A「あっ、はい、一応一通りは」
渡「マジ？教えて教えて」
そこからずっと、Aさんの話を聞いたり、俺らの話をしたり。すげぇ盛り上がったから集合時間忘れて、樺さんに怒られた。
けど、言いたいこと、あるんだよね。
目「Aさん、Aさん」
A「あっ、はい！」
目「今度は、俺らと青春しましょ」
俺らと一緒に、楽しい毎日送りましょ、ね。
俺らが、楽しい未来、作るから。
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年10月22日 14時
