珍しい時間帯の外線は国際電話？ ページ37
なんで突然相葉先輩があんな質問をしてきたのかが分からなくて…
とりあえず終わらせなきゃ…
と再び集中しはじめた
仕事に取り組んでからどれくらいたったのか
周りが少しずつ静かになってきたな。と
顔を上げて振り返ると、他の班もほとんどが帰宅していた
時計の針はとっくに定時の時間を過ぎていて
短い針が7と8の間を指していた
「うっそ…久々に集中力発揮したわ」
思わず声に出すほど
自分でもびっくりしていると電話が鳴った
付いたランプは内線経由の点滅をしている
こんな時間に外線なんて珍しい…
「はい、営1咲坂」
【総務課の永山です。A久しぶり！まだ残ってて良かった。あっ、中里さんに電話なんだけど…】
「久しぶり〜最近、同期会もやってないもんね…電話誰から？天音先輩、用事あって今日は早くに帰っちゃったんだよね」
【そっか…それがね国際電話なのよ。バンクーバー支社の松本さんって方なんだけど】
「いいよ、回して。私が用件聞いておくから。」
【ありがとう、助かる。また今度、連絡するね。じゃぁ、よろしく】
久々の同期との会話もそこそこに、
待たせている相手のことを思い出した
松本さんって確か、
天音先輩たちの同期だったよな…
「大変お待たせ致しました。中里の部下で咲坂と申します。」
「どうも、はじめまして。あま…中里の同期で松本と申します 。それで、あ…慣れねぇな…中里は？」
「あいにく今日は、もう帰宅しておりまして…私でよければ用件、お伺い致しますが。明日、こちらから掛けなおすと言っておりましたので」
「あいつ…明日でいいって言ったのに。ごめんね〜。部下に残業させて、自分はサッサと帰っちゃうなんてダメな上司だねぇ〜」
「いえ、とんでもないです。天音先輩はいつも遅くまで残っているので。」
「はは、冗談だよ。もしかして、君がもう一人の部下の咲坂Aさんかな？よく翔と天音の会話に出てくるからさ、気になってたんだよね」
「はい、そうですけど…あの、用件は？」
「あぁ、ごめんごめん。じゃぁ、明日電話もらえるかな、不動産の契約の件で。っ て伝えてもらえれば、分かると思うから」
「はい、かしこまりました。では伝えておきます」
「じゃぁ、よろしく。また今度ね」
電話を切って、用件をまとめはじめた
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作者名：二葉(ふたば) | 作成日時：2018年2月16日 23時
