初対面=片思い歴 ページ4
＿＿
私が名前を出した瞬間…
「おまっ、それを早く言えよ！」
「毎日、イジワルするからお返しです。ありがたく受けとれ！(笑)」
「まぁ、ありがたく受け取るよ。てか、中里さんの事は“先輩”のままなんだ(笑)」
「だって、そう呼ばないと書類とか受け取ってくれないんだもん(笑)」
「中里さんらしい(笑)あぁ、やっと帰ってくるんだ。楽しみだなぁ」
「私らさ、二人して先輩達を好きになるとはね(笑)」
そう、私達は5年前から
それぞれ片思いをしている
私達が入社した年は
有名大学卒が特に多く採用された年で
上の人達からの期待もすごかった
＜華の出世組＞とか＜勝ち組年代＞とか
色んなくくりで呼ばれていた
私達も大卒ではあったけど地方出身…
他にも春から上京してきた人が何人かいて
そんないわゆる“地方組 ”を陰で
〔お荷物〕とか〔働きアリ〕
って呼んでいた事を後から知ったんだよな…
だけど、二宮が放った一言で
高いマンションが一気に崩れ去って
あっという間に、まっさらな更地になった…
あの事件(？)は、思い出すと
今でも笑いが止まらなくなる(笑)
そんなちょっとした事件が起こる少し前、
二週間のオリエンテーションを終えた私たちは
いよいよそれぞれの課に配属されることになった
新入社員は全部で30名…
私が配属されたのは、営業1課
1課には10名の新人が配属された
私と二宮を含めて地方組が4人
有名大学卒が6人
1課は営業部の中でも《花形》と呼ばれていた
外資系の取引先との交渉が主になる部署だからだ
配属発表が終わってから
会議室に集められ、改めて自己紹介をした後
4人・3人・3人の3つのグループに分けられた
それぞれのグループに教育係が二人ずつ付く
私の班は、二宮と
教育係は…櫻井翔さんと中里天音さんって方。
そう先輩達と初めて対面したのはこの時、
私達の教育係が櫻井さんと天音先輩だった。
「もう、5年か。片思い歴」
「そうなるね、でも二宮はさ、一歩リードしてるじゃん。二人で食事に行ったりしてるじゃない」
「出張ついでにな。咲坂は毎日拝めんだからいいじゃんか。」
「来週からは二宮も拝めるじゃない、ズルい！」
「はいはい、とりあえず乾杯でもしましょーや」
「「お疲れ様〜乾杯」」
また懐かしい事思い出しちゃったな
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作者名：二葉(ふたば) | 作成日時：2018年2月16日 23時
