その先へ～I'd like to approach～ (ページ25)

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名前の呼び方ページ25

天音先輩が経緯を説明してくれて、

全てを話し終えたのを確認すると
もう一度、頭を下げられた

『怖い思いをさせてしまって、申し訳ない』

「頭をあげてください…こちらこそ、助けていただいて、ありがとうございました。こればかりは私も注意しようがないし…それに奢りって言われて、まぁいっか。って思っちゃってたし…あっ、寝室…占領しちゃったみたいで…」

『いや…咲坂の家に行こうと思ったんだけど、さすがに一人暮らしの女性の家にあがる勇気はなくてね…』

櫻井さんならいつでも大歓迎なんだけど…
恥ずかしくて俯くと、何かを察したように
二宮と天音先輩が口を開く

「さーて、咲坂起きたし、俺帰りますね～」

「私も一緒に出ようかな～」

『待って、送るよ。咲坂送ろうと思ってたからさ』

「Aちゃんは、すぐに支度出来ないでしょう、大丈夫よ。もう夜は明けてるし、二宮君同じ方向だから」

「そーっすよ、翔さん。中里さんは俺がちゃんと送り届けるので」

そう言って足早に帰っていった

『もう少し…休んでいくか？ちゃんと家まで送っていくから』

もう少しこのままでいたい
って思ったけどさすがに櫻井さんも
ちゃんとベッドで寝たいだろうし

「いや、私もそろそろ帰ります…これ以上迷惑かける訳にはいかないので」

『いや、迷惑だなんて思ってないよ。まぁ、自分の家じゃないから落ち着かないか…支度できたら出ておいで。送っていくから』

「はい…ありがとうございます」

みんなにちゃんとお礼しなきゃな…

帰り支度が終わって寝室を出ると
スーツ姿の櫻井さんが新聞を読んでいた

もしかして…今日出勤だったのかな

「お待たせしてすみません…今日出勤だったんですね…」

『おっ、もう出れる？あぁーこれは出勤じゃないけど、ちょっと会社に忘れ物してね。さすがに私服で会社には行けないかなぁって。じゃぁ、行こっか』

櫻井さんの車で送ってもらってる途中
お礼を何にしようか考えていた

結局何も浮かばないまま
マンションの前に着いてしまったけど

「櫻井本部長…」

『Aちゃん、プライベートだからさ(笑)』

また…名前…

「あっ…すみません…櫻井さん、昨日から本当にありがとうございました。また、後日ちゃんとお礼をさせてください」

『別にお礼なんていいよ』

「いや…そういうわけには…私の気がすみません」

『じゃぁ…』

言われた事は簡単といえば簡単な事だった