思い出した5年前の出来事〜悲しさ・悔しさ〜 ページ11
ﾄｩﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ………
〔はい、咲坂さんどうした〜？もうすぐミーティングだよ〕
「中里さん、おはようございます。始業前に…すみません。あの、お話し…したい事が､､､ありまして…出来れば今すぐ聞いて、いただきたいんですけど…お時間大丈夫ですか？」
悲しい気持ちと、悔しい気持ちと…
自分の頭によぎる最悪な憶測とで
声が震えてしまった…
中里さんは、何かを察知してくれたみたいで
≪会議資料作成の手伝い≫って事にしてくれて
小会議室を押さえてくれた。
しばらくして、中里さんが
カフェラテを2つもって会議室に入ってきた。
「すみません。朝の忙しい時間帯に」
〔いいのよ、何かあったんでしょ？〕
「実は＿＿」
中里さんに全てを話した。
朝、出社したらデータが全部消えてた事。
ソフトやアプリ関係までも
全てアンインストールされてた事。
そして、これらはPCのバグでもなく
誰かの手によって意図的に行われた事。
他の同期に比べると仕事は遅い方だし…
こんなことをされるようなことに
身に覚えがない事。
そして、最後に中里さんにお礼を伝えた。
「バックアップの件…ありがとうございました。本当に助かりました………」
すると中里さんが、スッとカップを出してくれた。
〔まぁ、カフェラテでも飲みなさいな〕
あたたかいカフェラテは
ほんのり甘くて、ちょっとだけ幸せな気分になれた。
〔咲坂さん、これからどうしたい？〕
これから、どうしたいか…
思い出した5年前の出来事〜優しい上司とカフェラテ〜→←思い出した5年前の出来事〜消えたデータ〜
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作者名：二葉(ふたば) | 作成日時：2018年2月16日 23時
