檸檬

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「ん〜！美味しい！すごい！」

「よかった〜！」

「お家でもご飯作るの？」

「たまーにですけど作ります。逆にAさんまじで作らないんだね！本当に冷蔵庫空っぽだった」

「そうだよ…冷蔵庫空っぽだったのに食材どうしたの？」

「朝起きてコンビニ行ってきた！玄関にあった鍵勝手に借りちゃったけどよかった？開けっ放しじゃ危ないと思って…」

「全然いいよ(笑)」


私が寝てた間に買いに行ったのか。深田くん何時に起きたんだ？朝が弱いって聞いたことあった気がしたけど、こんな朝食まで作ってくて一緒に食べてるなんて。しかも私の家で…

深田くんわかってるのかな、私が好きだってこと。分かってやってるならこれは確信犯なの…？なんて少し戸惑う



朝ごはんも食べ終わって、食器も片付ける。俺がやりますよ！って言ってくれたけど、さすがに朝ごはんまで作って貰ったのにそこまでやらせるのは申し訳なくて。しかも深田くんはお客さんなんだし。ソファーで大人しくしててもらう。



「Aさん、今日何も予定ないですか？」

「ん？今日は特にないかなー深田くんはバイトでしょ？」

お皿も洗い終わって一息つけば、深田くんはクッションを抱えながらソファーから床に降りて寄ってくる。なんだか前よりもパーソナルスペースが近い気がする…

「バイトです。でも夜からだし暇なんでどっか行こうかなーって。Aさんも一緒に出掛けない？」

「え、今日？」

「うん。外出んのめんどい？」

昨日の大雨はどこへやら。快晴な空が広がってる

「いや…天気いいから出掛けたいとは思うけど」

けど？と首を傾げる深田くんに思わず聞いてみる


「私たち明日も出掛けるけど…」

土曜日はバイトだからって、いつも日曜日にお出掛けしてる私たち。しかも毎週じゃなくてお互い忙しくない程度に会ってるけど…

「明日は明日でしょ？今日は今日！」

「…2日連続で会ってくれるの？」

なんて、重たい女みたいな事聞いちゃった。
そしたらニコニコしてた深田くんは、眉を下げて困ったように微笑んだ



「俺は会いたいけど、Aさんは嫌……？」

そんなの聞かないでよ…ずるい

「嫌なわけないじゃん…」

途端に流れる沈黙
なんか急に恥ずかしくなってきて思わず俯いてしまう

そしたら深田くんの手が頭に乗っかる

「よかった」

そのまま頭をわしゃわしゃするから、恥かしくて照れ隠しでやめて！と払い除けてしまった

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