そばにいてね。【2】 (ページ6)

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それから間もなくして、収録が再開。

翔太は口数は少ないとはいえ鋭いツッコミでゲストさんを笑わせてくれたり、収録中は体調が悪いとは思えないくらいいつも通りだった。その反動で休憩に入った瞬間沈んちゃうんだけどさ。

佐久間や康二も翔太を気遣ってかいつもより静かだな、と思いながら見てると、視界からふっと黒色が消えた。

同時にガタッと椅子が音を立てる。

隣にいた佐久間が驚いた様子で目黒に駆け寄るから、俺も慌てて駆け寄った。

「目黒、大丈夫？」

「ごめ…ちょっと立ちくらみ、」

「嘘、ねえ照、めめめっちゃ熱いんだけど」

首筋を触りながらそんなことを言うから俺も一言投げてから首筋を触る。

これは、朝からだろ、絶対。今さっき発熱したとは言い難い熱さに思わず眉間にシワが寄る。

「佐久間、目黒のことは任せて。翔太のほう行ってやって？」

「おっけー、任せな」

翔太は既に誰かがスタジオの外に連れて行ってくれたらしい。翔太、普段は素っ気ないくせに意外とこういうのは気にするタイプだから、あんま気にしないといいんだけど。

ザワザワするメンバーやスタッフさんへはふっかが対応してくれている。佐久間の足音が遠ざかっていく中で、俺はもう一度目黒に向き直った。

「目黒も一旦出よう」

背中に乗ってもらって、スタジオを出る。

寝かせてやりたいから一旦楽屋に向かう。俺らの楽屋は翔太がいるかもしれないから、もう片方の目黒たちがいた方の楽屋のソファに寝かせた。

「いつから？熱」

「……夜中、目覚めたとき、から」

「夜中？てことは、朝も」

目を逸らして頷くから思わず溜息が出そうになる。

「そういうのはさあ、ちゃんと教えてよ」

「……ごめん、でも隠すつもりとか全然なくて」

「ん、わかるよ。人の変化に敏感な目黒のことだから、翔太見て心配になっちゃって言うタイミング逃したんだろ？」

「しょっぴー…あ、しょっぴーは！？」

「ちょ、急に起き上がんなって」

勢いよく起き上がったせいで視界がぐらついたのか、俯きがちになって目元をおさえる。

「翔太は佐久間がついててくれてるから大丈夫。収録のことも気にしなくていいからとりあえず目瞑ってな」

そっと寝かせてあげたら、ちょっと不服そうな顔してる。でも体調の悪い体は正直で、目を瞑ればすぐ眠ってしまいそうな感じ。