そばにいてね。【2】 (ページ14)

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あんまり静かなのも気を遣わせるからって、佐久間や康二はいつも通り喋ってる。

少しだけ音があっても、照の声がどうしても聞こえてきちゃって。照は悪くないのに、なんか、俺も気持ち悪くなってきたかも。

窓の外を見たら気分の悪さが増しそうでとっさに目を逸らす。目開いてるだけでもなんか無理かも。目瞑って、申し訳ないけど軽く耳を塞ぐ。

「……しょっぴー？酔った？」

さっきまで喋ってた康二の声がしてうっすら目を開ければ、心配そうに顔を覗き込まれてて。

「……や、大丈夫」

「ほんま？無理やと思う前に教えてよ？」

「……ん、ちょっと、寝るかも」

目瞑ってたらこのまま寝れるんじゃないかって思ったんだけどそう簡単にもいかなくて。

そんな中、後ろから今日イチ苦しそうな声がした。それから、ビニール袋がガサガサ音立てて。いや、見なくてもわかるけどさ、絶対吐いちゃってんじゃん。

これ以上聞いたらほんとにやばいかも。軽く耳塞いでも聞こえる声に、耳を塞ぐ力を少しだけ強めた。

「しょっぴー？」

康二が心配そうに名前を呼んでくれてる、けど。１回だけじゃおさまんなくてちょいちょい吐いてる声が本当に無理で、どんどん気持ち悪くなる。

「……いま、話しかけないで」

「ごめん……」

「……喋ったら吐きそう…ほっといて」

ちょっと言い方冷たかったかもしれないけど、康二は素直だから。わかったって返事してもしもの時のためにって近くに袋を置いておいてくれた。自分が吐いてるのも無理だし、できれば吐きたくない。その一心で、目瞑って耐えた。