時々、狼 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:223,033 hit

＊４ページ4

お昼を食べて蓮くんとゆっくりしてると

クラスメイトがぞろぞろと教室を出て行く

どうやら今日の5限の理科は実験室らしい

目「A、俺らも行くぞ」

『あ、待って！』

必要なものだけ持って蓮くんの後を追い

いつものように2人で廊下を歩く

『ほんとさ、わたしたちなんだと思われてんだろ』

目「俺すげー聞かれるよ、Aさんと付き合ってんのって」

『えー、なんて答えてんの？』

目「大事な友達、ていうか男女の垣根越えた親友？」

『……蓮くんいなかったら学校生活終わるわ』

目「はは、このままだとお互い来年不安だな(笑)」

『友達いないよーとか言って(笑)』

そう、入学式からずっと2人でいたからか

不思議な程にクラス内でも誰も寄ってこなくて

わたしはクラスに蓮くん以外友達と呼べる人はいないし

同じく蓮くんにも友達と呼べる人はいない

目「まあ俺Aと仲良くいられたらそれでいいわ」

『同じく～』

お互いに好きとかそういう目で見たことないねって

中3の時に友達に聞かれて2人で答えたっけ…

でもほんと、蓮くんは女友達よりなんでも言えるんだよなあ…

目「あ、岩本先輩」

『えっ！？』

目「先輩も理科なんじゃね？」

学校には理科室が2つあって

わたしたちが使うのは第二理科室

その隣の第一理科室にいままさに入ろうとする

わたしの大好きな後ろ姿

『照くん！』

目「えっ、俺も！？」

1人じゃちょっと恥ずかしかったから

蓮くんの手を引いて走り出していた