時々、狼 (ページ25)

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放課後

目「お前なんかしたの、」

『や、思い当たる節はなにも…』

いつものように教室に迎えに来てくれた照くんは

なんだかとてつもなくぶすくれていて

そのイライラオーラが同級生たちをビビらせている

『とりあえず帰るね。じゃ、また明日！』

目「あい、明日ね」

照くんの元に駆け寄ると

問答無用で手を引かれ、そのまま校門も出る

『えっ、照くん自転車…』

岩「明日歩いて行くからいい」

『……』

帰り道もずっと無言で、少し怖い

家が近づきそのままバイバイかと思いきや

これまた有無を言わさずに照くんの家に押し込まれた

『えっ、ちょ、ひか……っ』

わたしを軽く睨んで玄関の壁に押し付けられる

尚も照くんが怒っている理由は分からない

岩「…おれ、聞いてないんだけど」

『え？』

岩「応援団引き受けたんだって？」

『だってみんながやれって言うから…』

岩「あんな制服より短いスカートで俺以外の前に出んの？普通に嫉妬するし、嫌なんだけど」

あちゃー…、それで怒ってたのか………

これはまずい

『えっと、照くん。とりあえず落ち着い…』

岩「は？無理。お前さこんなことされたらどうすんの？」

照くんの大きくてゴツゴツした手が足を撫でる

突然のことに身をよじるけど、当然、逃げられない

『やっ、ひかぁ…』

岩「……ま、今回は許してやる。俺も見てるし、ふっかにスカート長くしろって言っといたから」

『ん…』

岩「ただ来年からは無しな。約束しろよ」

『はい……』

照くんは甘いマスクを被った狼だ……