Mirror. (ページ6)

今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:9,272 hit

深夜の練習室3 ページ6

Aとは夜の練習室でしか会わなかった。

なんで？って聞いたら

「昼間は学校に通っていて
宿舎じゃなくて家に住んでるからだよ」

と教えてくれた。

俺達、もっと早く出会っていたら良かったのに。

「それはそうと。
いよいよ明日は月末評価ですね」

踊り疲れた足を揉みながら

Aの言葉に緊張感が高まる。

上手くやれるのか不安ではあるけど

こんなに頑張ったんだから

まさか。大丈夫でしょ？

って気持ちもなくはない。

正直、最初は歌も下手だし

ダンスも下手すぎるって散々言われて

評価は顔だけだった。

それでも足の裏が硬くなるまで踊った。

「ソクジニヒョンなら大丈夫。
ていうかデビューしてもらわなくちゃ困る」

jn「なんでAが困るの」

「だってヒョンはチームには欠かせない人になると思うから。
面白い人だし何も考えてなさそうに見えて
実は色々考えてるし、頭も良いでしょ」

つらつら話すAは冷静に分析しているようで

だけど内容は俺を褒めているから

喜んでいいのか何なのか…、変な気分。

jn「A。
一緒にデビューしたらさ、」

「ヒョン！もうこんな時間！
帰って休まないと」

俺の言葉を遮って

いきなり立ち上がるAは時計を指差した。

時刻は深夜2時を過ぎていて

確かに遅くなりすぎている。

それにAは宿舎じゃなくて

実家に住んでいるなら早く返してやらなくちゃ。

いくら練習生でも学生だし

親御さんも心配するだろう。

お互いに明日のために休まないとね。

jin「A。
明日の評価、上手く踊れる気がする。
今まで教えてくれてありがとう」

「お礼を言うのは受かってから。
あ、そうだソクジニヒョン」

Aがポケットから何かを取り出して

俺の手のひらにポンと乗せた。

それは

可愛いスマイルがついたキーホルダー。

「これはダンスが上手く踊れる御守り」

jn「ヤー、ありがとう！
明日必ずこれをズボンに引っ掛けて踊るよ」

「ふふ。ファイティン！」

Aとデビューしたらさ

もっと仲良くなれそうだ、って言おうとしたんだけど。

まあ、どうせAは上手だから

デビューできるんだろうし

あとは俺が頑張ればいいだけだ。