Mirror. (ページ11)

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過去と今ページ11

高校卒業間近になって

俺はやっぱりソウルに行く事にした。

親を説得して

事務所のオーディションも調べて。

そこまでしたのに

どうしてもギリギリまでAに言えなかった。

「ホソガ。

何か隠してるでしょ」

いつもと同じ。

2人で練習して、踊り疲れた帰り道。

Aは俺にそう言って

少し悲しそうな顔をした。

今言わなくちゃ、って思った。

hs「実は…事務所に入ろうかと思ってる。
ソウルに行って、、だから…」

“ずっと一緒にいよう”と言ったのは俺なのに

ごめん。って気持ちがどうしても消せなくて

上手く話せない。

Aはニコッと笑って

お揃いのキーホルダーを目の前で揺らした。

「ホソクが遠くへ行こうと
俺達が友達じゃなくなるわけじゃないじゃん」

hs「それはそうだけど、」

「ずっと一緒っていうのはさ。
何も身体だけの事じゃないんじゃない？
心はいつも一緒でしょ」

hs「うん、うん、、そうだよね」

「もー！何泣いてんの！」

hs「だってぇぇ」

ははは！って笑うA。

俺が高校卒業してソウルに行っても

たまに地元に帰ってくれば

またいつでもこうして2人は笑い合えるだろう。

「有名になったらご飯でも奢れよ」

冗談を言って俺を励ましてくれたAに

本当にいつかお金を稼いだら肉でも魚でも

何かすごく美味しいものを奢ってやろう。

そう思ってた。

2人で過ごす時間が当たり前だと思ってた。

それがどれだけ愚かで幼稚だったか。

今は分かる。