僕等のシェアハウス (ページ12)

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IN

俺達が気まずくならないように

Aヌナは知らんぷりしてくれてるんだ。

そうだよね。

ここで騒いだら良くないだろうし…。

IN「…これにします、」

「じゃ、お会計しよ！」

無視していたのに

あの男達は調子に乗って

まだニヤニヤしながらAヌナを見てる。

FL「早く会計して家に帰ろう」

IN「うん。そうしよう」

しつこいし、本当に失礼なやつ。

ヌナのためにも早くコンビニを出たい。

『あんなにデカいとさぁ
女として見れねぇよなぁ？』

『あそこまでデカのは無理。
なんかちょっと引くわㅋㅋㅋ』

「……ごめんリクス。アイス持ってて」

FL「ちょ、ヌナ…！」

Aヌナはツカツカ男の前まで行って

慌てて俺達もヌナの後ろについていく。

何かされたら流石に俺達男だし

ヌナを守らなくちゃでしょ？

『な、なんだよ…！』

男を見下ろすAヌナは

美人だから余計に無表情が怖い。

「ちいせぇ男」

『なっ！？』

『お、おい…早く行くぞ！』

「あ、逃げた」

ヌナに言われて動けなくなって逃げるなんて。

言い返されると思ってなかったっぽい。

あんなにイキがってAヌナを馬鹿にしたくせに

面と向かって言われたら言い返せないなんて

ダサいにもほどがある。

「さて。はやく帰ってアイス食べよ！」

にぱっ！と笑ったAヌナは

すごくカッコよかった。

FL「Aヌナ大丈夫？」

「このくらい全然大丈夫だよ〜
アイス食べたらすぐ忘れる！」

IN「Aヌナが言い返すから
緊張したけど、なんかスカッとした！」

「あいつらザコだったね〜！あはは！」

デカい女とか

無理とか引くとか、有り得ない。

夜風に揺れる金髪の長い髪も

笑った時の猫みたいな目も

モデルみたいに細くて長い手足も

ひとつひとつが綺麗な人なのに。

「ん？なに？」

IN「いや、、なん、でもないです…」

「？」

俺は家に帰るまでヌナの横顔を見ては

なんだかドキドキして

薄いTシャツの上から胸に手を当てみたら

これが初恋かもしれない、って思った。