第30夜 ページ30
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あまりにも平然とした顔で物騒なことを言われ、嫌でも気が引き締まる。
さすがにこんなところで人生を終えるのは嫌だ。それに食べられそうだし。
もうそれならいっそ変に取り繕うより自分の考えをそのまま言ってしまおうか、という結論に至る。
その場の嘘は、きっとこの人には通じないから。
｢___志麻に、従います｣
｢というと？｣
｢記憶が戻っても、私のことを好きじゃないかもしれない、ここに居たいと言うかもしれない。そうしたら、私はきっと、彼の言うことに従います｣
変に誤解されても嫌なのでもちろん一緒にいたいですよ、と付け足す。
センラさんは私の言葉に怪訝な表情を浮かべていた。
｢志麻の人生は私が決めることじゃありません。ですから……そうなった時は大人しく身を引きます、でも、もし好きでいてくれるなら、一緒にいたいと思ってくれてるなら、____ここを、出たいです｣
はっきりと、そう伝える。
センラさんたちから志麻を奪おう、という気持ちは一切ない。
でも、志麻は元々"人間"だ。
人間の住むところで、人間の暮らしを、彼としたいんだ。
お互い、何も言わない。
この1歩でも動いたら危害を加えられそうな緊迫感、いつまでたっても慣れる気がしない。
｢____ま、志麻くんのことよく考えてくれてるええ彼女さんなんやなってのはよーく分かりました｣
｢ど、どうも……？｣
｢ま、２、３年前は3人でやってたんやから今更4人も3人も関係あらへんやろ。……ほな、そうやね｣
センラさんの目が細められる。
その目は私をしっかりと捉えていて、見定める目であることに変わりはない。
｢本当ならこういうのはうらたんの役目なんやろうけど、特別サービス。志麻くんのこと、色々ネタばらしする時がきたようやな｣
そういうセンラさんの目にはどこか楽しさも感じられて、この人が冷静さを失う時なんてくるんだろうか、なんて思いながら、思わぬ言葉に胸を高鳴らせた。
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クロナ - 涙目になりながら読ませて頂きました。とても面白い話でした！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 95383b2889 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです！夢主ちゃんと四人が再会するお話とかその後話が欲しいです！ (2018年11月27日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - ゆづきさん» コメントありがとうございます、まだまだ拙い文ですがそう言っていただけて感無量です…！閲覧ありがとうございました！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - つぼみさん» コメントありがとうございます、少しでも作品の雰囲気を楽しんでいただけでとても嬉しいです！期待に応えられるよう頑張ります！！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - 感動した。ただその一言です！愛が感じられるとても素敵な作品でした！ (2018年10月30日 18時) (レス) id: 5ea47c424e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：史緒 | 作成日時：2018年10月3日 23時
