第3夜 ページ3
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｢____あ、目、覚めた？｣
知らない天井、知らないベッド、そして知らない人。
理解が追いつかない中、体を起こして声の主の方へ向く。
そこには先程の男の人とは違う、別の男の人が立っていた。
緑の瞳、黒い服に身を包み、すぐ傍にたぬきらしき生き物がいる。
｢戸惑うのも無理はないか、何も知らないんだもんね｣
｢あの、ここは？｣
｢うーん……説明するのが難しいんだけど俺らの拠点、と言っておこうか。詳しい説明は後でじっくりするよ｣
丁寧に、優しい口調で接せられるせいで警戒心を解きそうになってしまう。
場所からしてあの船の中、だろうか。
それに、俺ら、と言っていたということは、この人以外にも誰かいるのかな。
｢俺ら自体もちょっと特殊だからややこしいけどちゃんと説明するからね？……とりあえず、名前教えとかないと。俺はうらたぬき、さっきのキョンシーがセンラ、あとまだ見てないとは思うけど坂田ってやつもいる、すぐ会うことになると思うよ｣
どれもこれも日本人離れした名前に少し理解するのに時間がかかってしまう。いや、坂田って人はそれっぽいけど。
｢それと、あとは志麻、ね｣
志麻。
その単語がでた瞬間、私の体は分かりやすく強ばってしまう。
それはうらたぬきさんにも分かったようで、私のそんな様子を見て困ったように笑った。
｢……で、君の名前は？｣
｢星野Aです、……あの、志麻、って｣
｢Aさん、ね。まーしぃについてなんだけど______｣
うらたぬきさんが何かを口にしかけた瞬間、部屋の扉が勢いよく開かれる。
ガタン、と大きく音を立てて開いた扉の先に立っていたのは、1年前からずっと会いたかった人の姿。
___間違いない、志麻だ。
｢うらたさん、もうあれって食べちゃってい___って、こいつ｣
志麻は私の存在に気付いたらしく、じっと視線を向けてくる。
私はというと、自分の本能に逆らえずベッドから勢いよく出て、志麻の方へと近付いていく。
うらたぬきさんも志麻のことも気にせず、少し手を伸ばせば触れられるほど近付いて、目線を合わせた。
｢志麻、久しぶり｣
やっと、会えた。
_____と、思ってたのに。
目の前の志麻から、とんでもない言葉が出た。
｢………や、誰やねんお前｣
驚くほどの冷たい声色と、こちらに向けられた怪しむような視線に、私の思考はフリーズした。
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クロナ - 涙目になりながら読ませて頂きました。とても面白い話でした！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 95383b2889 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです！夢主ちゃんと四人が再会するお話とかその後話が欲しいです！ (2018年11月27日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - ゆづきさん» コメントありがとうございます、まだまだ拙い文ですがそう言っていただけて感無量です…！閲覧ありがとうございました！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - つぼみさん» コメントありがとうございます、少しでも作品の雰囲気を楽しんでいただけでとても嬉しいです！期待に応えられるよう頑張ります！！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - 感動した。ただその一言です！愛が感じられるとても素敵な作品でした！ (2018年10月30日 18時) (レス) id: 5ea47c424e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：史緒 | 作成日時：2018年10月3日 23時
