第14夜 ページ14
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朝食も食べ終え、私はある部屋へと向かっていた。
船内の奥にある、倉庫へと。
いらなくなったものを置いておくだけのものだから何があるかわからないし基本近付かないように、と言われたけど____
そう言われると行きたくなるのが人間の性というもので。
倉庫の扉は思っていたよりもあっさりと開いた。
中に入れば、がらくたや正体不明の何かまで無造作に散らばっている。
……この船の人たちって、もしかして整理整頓という言葉を知らないのかな。
ぐるりと1周見渡すと、1つ、大きな箱が見えた。
私の身長よりも遥かに高く、夜に溶け込んでしまいそうな黒。
鎖で何重にも縛られ、中心にはそれを留めている南京錠がある。
他のものに比べてほこりを被っていないので、最近置かれたものなんだろうか。
開けたいが、生憎鍵となるようなものはないしピッキングの技術も持っていない。
今のところは諦めて他を探そうとしたとき、不意に床の一部分に違和感を感じた。
｢なんか、ここだけ、色が違う？｣
違和感の正体を確認しようと屈んでからぐ、と体重をかけて床を押してみる。
____この、安易な行動がいけなかったのだろう。
｢え｣
思わず口から出てきた間抜けな声。
それもそうだ、だってその床が大きく開き、私は空いた大きな穴へと吸い込まれたのだから。
自分の状況を理解した瞬間、本能から大きな叫び声を上げてしまう。
衝撃が来ると思い目を瞑るが、そんなに高さはないのかすぐに冷たいコンクリートの感触と僅かな痛みが全身を伝う。
体を起こして目を開ければ、そこにいた何かと目が合う。
いや、何か、じゃない。
人、たくさんの、女の人。
｢あなた、人間？｣
たくさんの女の人の中から不意にそんな声が聞こえる。
｢ねぇ助けて、ここから出たいの｣
｢あんな奴らに食べられたくない、私、家に帰りたい……！｣
最初の人の言葉を皮切りに次々と助けを求める声が私に降り注ぐ。
その声は、悲痛で、必死で、か細くて。
きっとこの人達は
彼らの『食料』なんだろう。
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クロナ - 涙目になりながら読ませて頂きました。とても面白い話でした！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 95383b2889 (このIDを非表示/違反報告)
心愛 - とてもよっかたです！夢主ちゃんと四人が再会するお話とかその後話が欲しいです！ (2018年11月27日 21時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - ゆづきさん» コメントありがとうございます、まだまだ拙い文ですがそう言っていただけて感無量です…！閲覧ありがとうございました！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
史緒(プロフ) - つぼみさん» コメントありがとうございます、少しでも作品の雰囲気を楽しんでいただけでとても嬉しいです！期待に応えられるよう頑張ります！！ (2018年10月31日 7時) (レス) id: 5df9928a5a (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - 感動した。ただその一言です！愛が感じられるとても素敵な作品でした！ (2018年10月30日 18時) (レス) id: 5ea47c424e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：史緒 | 作成日時：2018年10月3日 23時
