君の言うたっちゃんは俺じゃない (ページ2)

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深澤side

『……か、ふっか、！』

誰かに揺さぶられてハッ、と起きる。

どうやら懐かしい夢を見てたみたいだ。

今日はSnowManでYouTubeの撮影のため富士急に行く。

大型車に乗っていたが、揺られている間に眠ってしまったらしい。

「おお、ごめん阿部ちゃん。ちょっと夢見てた」

『うん、なんかうなされてた。もしかして、Aの夢？』

流石阿部ちゃん。同期なだけある。

というのも阿部ちゃんとAは高校の同級生で、Aを紹介してくれたのも阿部ちゃんで。

だから、1番相談したし1番信頼してる。

それは、きっとAからしてもそうなんだろう。

阿部ちゃんも、Aの行方は知らないらしい。

誰も、Aの居場所は知らない。

俺もAの実家なんて行ったことなかった。

千葉だってことしか知らないし。

だから、もう諦めるしかないんだ、って思っていた。

『ま、Aもどっかで元気にしてると思うよ。多分。幸せに暮らしてるんじゃない？』

「俺が幸せにしたかった……」

『それは俺も思うよ、ふっかと幸せになって欲しいなって。でも今日は仕事なんだから暗くならないでよ』

阿部ちゃんが少しむ、とした顔で言う。

分かってる、仕事だけはちゃんとやるから、今は感傷に浸らせてよ

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『『『『どうも～SnowManで～す！』』』』

YouTubeの企画撮影、始まった。

なんだかんだ遊園地は好きなので俺も実際楽しくなってきてる、

周りは子供連れの親子、カップル、友達……人で溢れ返っていた。

Aと来た時、思い出すなあと思いつついつも通りのうるささで企画を進めた。

『…はいおっけー！移動しようか』

カメラマンさんの声がけが入り、皆次の場所に移動しようとワイワイ騒ぎながら歩く。

周りからはSnowManだ、と若い女性からの声が聞こえる。

みんな知ってくれてるんだ、嬉しくなって頬が少し緩んだ。

『あーーーーーー！SnowMan！！』

そんな中、俺らを見て大きな声を出す少年。

こちらに駆けてきて、佐久間のところに行った。

『俺、さっくんのこと大好きなの！！』

『えー！ほんと？！嬉しい！え！君いいね！！』

佐久間と少年がわいわいと話す。

パッと見小学生くらいの男の子。

心なしか、俺にちょっと似てるなあなんて思った。

やんちゃっぽいところが似てんのかな。既視感を感じた。