彼は私に冷たい【snr】

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部屋の明かりが目に入る。今日はセンラの方が帰りが早かったらしい。よっぽどの事が無い限り、お互い帰宅時間は大体一緒なので生活をする上で過ごしやすいと思う。


夜ご飯はなんだろうと家の扉を開ければ、ふわりと玄関までカレーの香りが届いている。ぐるるとお腹が鳴りそうになるのを堪えてリビングへ足を進めれば、案の定キッチンに立つセンラ。

部屋着にエプロンという少しミスマッチな気もする組み合わせでも、スラッとしたスタイルの彼は着こなしてしまう。一つ一つの行動も格好も様になってるのだ、本当に私の彼氏なのだろうかと思うくらい格好良い。


ドアの傍でぼーっと立っている私を不思議に思ったらしく、「おかえり、大丈夫？」と側まで来て額に手を当てられた所でハッとする。「だ、大丈夫！ちょっと考え事してただけだから！」と言い逃げするように着替えに行く。

変に、思われたに違いない。先程の珍しいセンラの行動と、あからさまな自分の行動がフラッシュバックして恥ずかしくなり、顔に熱が集まっていく。…落ち着いてから戻ろう。


…


リビングに戻れば何事も無かったかのようにカレーをよそっているセンラ。先程の心配は建前だったのかと思ってしまうけれど、それは杞憂だったらしい。


「調子悪い？カレー少なめにしよか？」
「あ、ううん。本当に大丈夫だから、いつも通りで」
「そっか、なら良かった」


微かにだけどセンラの口角が上がった気がして、驚いて瞬きすればいつも通りのセンラで幻覚だった…？と思いながら、席に着いた。



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