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「こ、れ、…夢や、ない?」
「夢じゃないよ」
「仕事とか活動で忙しいし、家空けること多いし、寂しい思いさせるかもしれん」
「それはもう慣れた。仕方ないし、センラが頑張ってるの私は応援してるよ」
「Aに対して素っ気ないっていうか冷たいし、もっとちゃんと伝えてくれて笑わせてくれるような人居るかもしれん」
「…自覚あったのね。直して欲しいとは思うけど直ぐに、なんて無理は言わない。センラも沢山人の事笑顔にできるから私を笑顔にするなんて簡単じゃないの」
「…ほんまに、センラで、ええの」
「センラがいいの」
私の隣まで移動してきたセンラに優しく、でも離さぬような力強さで抱きしめられる。私は静かに背中に手を回した。
「めちゃめちゃかっこ悪いやん、俺」
「凄くね」
「否定してや」
「えー…出来ない」
「…ふん」
ぐりぐりと肩口に顔を寄せられ、ふわふわとした髪が擽ったいけれど落ち着くまでこうしていようと静かに頭を撫でる。
「…いつか、ちゃんと格好良く言うからな」
「うん」
「他の奴らに目移りしたらあかんで」
「今更するわけないでしょうが」
「…好き」
「…私は愛してる」
「っ、な…!」
顔を真っ赤に染めるセンラが可笑しくて笑ってしまった。こんなに表情がコロコロ変わっていくのを今更知るだなんて。
…
カップルには様々な形がある。どれも正しいだとか間違いだとかはない。相思相愛が目で見てわかる人達も居れば、仲が悪そうに見える人達も居るかもしれない。
私たちは私たちなりの形で、幸せを築いていく。
…
「あ、…ご飯冷めちゃった」
「今それ言う?」
「だって、センラがご飯中にあんなこと言うんだもん」
「…それは、ごめん」
「ふふ、いいよ。温めなおそっか」
何でもないこの日常が凄く幸せだ。
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諭吉(プロフ) - 心が温まりすぎて心臓無くなりそうでした……!!!こんな良作であったの久しぶりすぎて涙です。完結お疲れ様でした!応援してます! (2021年1月17日 2時) (レス) id: 5f379f33ee (このIDを非表示/違反報告)
mi.(まい)(プロフ) - よにんさん» ありがとうございます(;_;)これからもよろしくお願いします♪ (2020年6月7日 19時) (レス) id: 0f8661bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
よにん - とうとう本当の完結ですね(´;ω;`)この作品とても好きでしたので悲しいです(´;ω;`)これからも応援しています! (2020年6月7日 1時) (レス) id: 8c9fae118d (このIDを非表示/違反報告)
mi.(まい)(プロフ) - 林です。嘘です。さん» 勉強の方お疲れ様です!息抜き程度にでも楽しんで頂けたら嬉しいです♪ (2020年6月6日 23時) (レス) id: 0f8661bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
mi.(まい)(プロフ) - izmin0215さん» 愛読して頂き、またこうしてコメントまで頂けて本当に嬉しいです。ありがとうございます(;_;)新作の方も何卒よろしくお願いします♪ (2020年6月6日 23時) (レス) id: 0f8661bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi.(まい) | 作者ホームページ:http://twitter.com/_muikrn
作成日時:2020年5月28日 14時