ふぇいくかっぷる。《Ryohei.A》 (ページ31)

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先程の出来事が頭から離れずに

そりゃあご飯なんて喉を通らない。

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でも彼に気付かれていないことが唯一の救い。

本当に助かった…

だけど、やっぱり変に貴方を意識してしまう。

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まあ、これは私だけなんだろう…けど。

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阿「ねえ、A？」

あ「ん？」

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やばい。さっきのやっぱり気付かれてたかなぁ。

心がそんな不安を駆り立てる。

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阿「A、明日早上がりでしょ？」

あ「う、ん。明日は17時まで…でもなんで？」

阿「じゃあAのそれ以降の時間、俺にくれない？」

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"俺、明日オフだから迎えに行くから"

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あ「うん。いい…けど？」

阿「どうしても連れて行きたい場所があるんだ」

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連れて行きたい、場所？

えっ、なんだろ。全然分からない…

今まで連絡取ったり、居酒屋立ち寄ったりはしてたけど、ふたりでどこかへ行くなんて早々なかった話。

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明日ってなにかあったっけ…？

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思い返すと、この時は完全に忘れていた。

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阿「まー、楽しみにしてて？」

あ「う、ん。してる…」

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悪戯に微笑む彼の笑顔を見たが最後。

ランチの終了時間を告げるアナウンスが鳴った。

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あっという間に一時間が終わってしまった。

彼と居ると、時の流れが不思議と早く感じる。

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なんでだ？どうして…？

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お互いに何の感情もない

ただの恋愛ごっこのはずなのに…

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先を行く亮平の背中を見守る。

その背中はいつもより大きく見えた。

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