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こんなに阿部さんを近くで見たことはなかったから初めて気が付く。
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端正な顔立ちに、睫毛は長く、唇は割とふっくらとしていて、そして目は少し狂気的で…
そんな彼の全部に今は魅力を感じてしまいそう。
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私の心を読まれまい…そう視線も自然と彼から逸らしてしまう。
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なんとかここから早く逃げたい…
だけど、やっぱり身体は言うことを聞かない。
そんな私を前に彼はふっと口角を上げ馬鹿にしたように言うんだ。
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阿 「Aちゃんって分かりやすいよねぇ…」
あ 「えっ…」
阿 「この前も、そして今だって。あからさまに俺と目合わせようしないんだもん」
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そんなの、当たり前じゃない。
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目が合ったが最後。今はそんな感じがするんだ。
きっと、阿部さんは女の子を堕とすのに慣れてる。
だから、私は絶対に…
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阿 「…でもそーゆうとこ見るとなんか俺、虐めたくなっちゃう…」
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私に顔をぐっと近付けた悪魔は私の前髪を手で避けながらそう呟く。
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虐めたくなっちゃう？
な、にこの人…やっぱり意味が分からない…
いくら自分がモテるからって人のこと弄んで。
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あ 「…からかわ、ないで下さい…」
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彼の肩を押して、なんとか振り切った。
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悔しいけど、彼の言葉に自分でもカァーッと身体が熱くなっていくのが分かって…
恋愛経験が乏しい故だ。
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とにかくこの部屋から出よう。
ここから出たら全てリセット。
今日のこと、そして昨日のことも全部忘れるんだ。
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阿部さんに背を向けて歩いていく…
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そして静かに部屋を出る。
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つもりだった…けどそれは、誰かが私の腕を掴んだことによって阻まれた。
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あ 「…！？」
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強く腕を引かれて、気付いたら目の前には阿部さんの綺麗な顔が…
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視界が曖昧になったと気付いた時にはもう…
互いの唇が本当に、本当に一瞬だけ重なり合っていた。
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えっ。私、今な、にされた…？
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すぐに離れた身体。私だけを見つめるようなその視線は何とも色っぽくて、魅惑的で…
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そうして間髪を入れずに、言ったんだ。
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阿 「…俺と一ヶ月間付き合ってよ」
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みきぽん(プロフ) - い、飲酒運転…？？そこだけは現実味ないかも、でも話の内容に引き込まれる！✨ (2021年11月1日 18時) (
レス) @page22 id: 6c9a88d371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年12月14日 10時
