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黒Side
ずっと好きだった。
念願叶って付き合うことになった時は本当に幸せで、
夢なら覚めないでほしいと何度も思った。
…そう思っていたはずなのに。
「なぁめめー。最近ラウばっかやん。寂しい」
「…」
「付き合うなら阿部ちゃんってひどない!?」
「…」
「俺のこと好きなくせに最近冷たいで?」
「…」
もちろん康二のことが好きだ。
でも俺だって他のメンバーと話したいし遊びたいし、
康二だけを構う筋合いはない。
大好きだけど、年上のくせにいつまでもヤキモチで
俺を縛り付けようとする康二に少し、嫌気がさしていたのかもしれない。
…そんな時だった。
「…っ」
「阿部ちゃん…?」
前の仕事が少し早く終わり、次の収録のために楽屋に入ると
そこには阿部ちゃんがいて。
…泣いていた。
「あっ…違うの!何でもないから!」
「ちょっと…目擦ったら駄目だって」
あわあわと慌てて目を擦る阿部ちゃんの手を掴んだ時、
○んだ瞳の阿部ちゃんと目が合った
「…っ//」
そんな阿部ちゃんを、綺麗だと思った。
「…ごめんね」
「いや…」
「振られたの、佐久間に」
「えっ…」
「ははっ。好きは好きでも、向こうは違ったみたい。自惚れちゃった…」
そう言ってまた涙を浮かべる阿部ちゃんを、
俺は放っておけなかった。
「俺で良かったら話聞くよ?今日飲み行く?」
「ん…。ありがとう」
「そんな顔しないで。ほら、もう皆来るよ?」
「あ、うん…」
そして数分後には賑やかになる楽屋。
「めめっ♪」
「おい、いってぇな。急に抱き着くなよ」
「いつもしてるやん」
「はいはい。」
「なぁめめ、今日ご飯食べに行こっ」
「…ごめん。阿部ちゃんと約束してる」
「えー何でよぉ。二人きりなん?」
「ん。」
「えー嫌やー。阿部ちゃん俺も行きたい〜」
そう言って阿部ちゃんに話しかける康二にイラッとした。
何で…?
何で分らないの…?
阿部ちゃんの目、赤いじゃん
「あ、うん。じゃあ康二も…」
「だめ。今日は二人で行くって決めてるから。邪魔すんな」
優しい阿部ちゃんが自分の気持ちを押し殺して
康二のことを受け入れようとしたから更に康二に腹が立って。
つい、睨みながら言ってしまった。
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真夏野スピカ(プロフ) - なさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - ともぴーさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 真夏野スピカさん» そうなんですね!更新楽しみにしてます。 (2020年12月13日 20時) (レス) id: 67c533f73c (このIDを非表示/違反報告)
ともぴー(プロフ) - そうでしたか!更新楽しみに待ってます。 (2020年12月13日 19時) (レス) id: e72f97e6fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月10日 22時