First Love. ２【白】 (ページ13)

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６２. ページ13

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『Aさんは…、渡辺さんと、仲良いんですか？』

　

　
　

　

　
渡辺さんが話に出てくると嫌なくせに
気になりすぎて自分から聞いてしまった

　

　

　

　

「仲良い…、のかな？
　まあ同じ職場だからね」

　
『でも２人でご飯とか行くんですよね？』

　
　
「そうだね、仕事のこととか色々相談するし」

　
『そうですか…』

　

　

　

うわ、

なんか、今の僕すごい重いやつみたいじゃん

　
　
　

僕はAさんにそんな事聞けるような関係でもないのに

　

　

　

　

　
やっぱり渡辺さんには勝てないのかなって
そう思っちゃって

　

　

　
　

　
「そんなに翔太の事気になる？」

『え、あぁ、すいません…変な質問しちゃって』

　
「ううん、謝らなくていいよ(笑)
　でも翔太の事聞いてくるから何か気になるのかなーって」

　

　

　

　

　
隣にいるAさんは、しっかり体をこちらに向けて話してくれている

　

　

　

　
「翔太はねぇ、んー、なんていうか兄弟みたいな感じかな？
　何でも話せるしお互い全然気使わなくていいしね」

　
　
『兄弟…』

　

「しょうもない喧嘩とかよくするし(笑)
　だから彼とは付き合ったり？とかそういうんじゃないよ」

　

『そうなんですね』

　

　

　

　
渡辺さんが彼氏になることはない
という事を改めて聞いて、安心したけど
何でも話せるような関係の渡辺さんは
やっぱり羨ましいなと思ってしまった

　

　

　

　

　

　
「さ！翔太の話しはもうおしまいっ(笑)
　そうだ、こうじくんの写真とかないの？」
　

　
『あー、ありますよ！』

　
「見てみたいな～」

　

　

　

　

　

　
せっかく２人で会えたのに、他の誰かの事で落ち込んでたら
もったいないよね

　

　

　

　

　
『あれ、スマホどこやったっけ…』

　

　

　

　

　
スマホが見当たらずパンツのポケットやリュックを探す

　

　

　

　

　
『あ…、』

　
「スマホあった？」

　

　

　

　
リュックを開けた時
今まですっかり忘れていた
あの小さい紙袋が目に入った

　

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