First Love. １【白】 (ページ8)

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８. ページ8

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『すみません！』

　
　

　
昨日と同じよう声をかけると
その人もまた昨日と同じようにパッとこちらを振り向いた

　

　

　

　
けど、今日のお姉さんは少し違う雰囲気で
僕を見るなり眉間にグッとシワを寄せた

　

　

やば、また怒っちゃうっ…

　

　

　
今にも何か言いたそうなお姉さんの圧に呑まれそうになったけど
今日ちゃんとしなきゃ！と強く気を張った

　

　
　

　
　
『あの、僕サボっていたんじゃありません、
　お姉さんに会いたくて時間ずらしただけです！』

　
「え？」
　

　
『それに今日も遅刻もサボる気もありません、
　だから、これ受け止ってくださいっ！』

　

　
　

　

そう言ってめめからアドバイスを受けたソレをカバンから出し
驚いて目をぱちくりさせているお姉さんに差し出した

　

　

　

　
「え、あぁ…、これは……、なに？」
　

　
『お手紙です』

　
「いやそれは、見れば分かるんだけど
　そういう事じゃなくて、」

　

　

　
　
封筒と僕を交互に見ながら、お姉さんは不思議そうにしていた

　

　
ダメか‥、

しょうがない

　

　

　

『僕、行かないと学校遅刻しちゃうんで
　受け取ってもらっていいですか？はい、どうぞ』

　

　
お願いしますっ、と念じながら
ダメそうな時用とめめから教えてもらったの
そのセリフを言った

　

　

　

「え、あ…そうだよね、
　んと、じゃあ一応もらっとくわ」

　
　
お姉さんはあまり納得がいっていない様子だったけど
とりあえず封筒を受け取ってくれた

　

　

　

よっしゃ！

　

　

　

　
『それでは僕は遅刻しないように学校に行くので、また！』
　

　

　

短くそれだけを言って僕は駅の階段をかけ上がった

　

　

　

良かったーっ！渡せた！

　

全然喋れたわけでもないし、ただ手紙を渡せただけなのに
僕は今までにない満足感と高揚感でいっぱいになり
駅員さんに注意されるかもしれないくらいの早さで
改札までの道を走っていた

　

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