First Love. １【白】 (ページ32)

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３２. ページ32

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「気にすんなよ」

『うん』

　

　

　

　

　
Aさん達にさよならして店を出て歩き出した僕達は
その一言だけを交わした後、一切喋らず家まで帰った

　

　

　

　

　
余計な事を言ってこない優しさはすごくめめらしい

　

　

　

　

　
でも、今の僕は少し前と違って
全く落ち込んでないんだよ

　

寧ろ闘争心が沸き上がってきちゃった

　

　

　

　

　
まず、Aさんにお礼出来た事
　
これが本来の目的だったから
ちゃんと果たせて良かった

ありがとう、と言ってくれたAさん

普通の事なのかもしれないけど
めっちゃ嬉しかった

　

　

　

けど、上手く話し出せなかった事

これは、人見知りの僕の今の課題
色んな人に自分から声かけて克服しなくちゃいけないな

　

後は、隣にいる渡辺さんに気を取られてしまいすぎた事

あれは、一瞬良い人なのかもっ、と思ったけど
やっぱり油断しちゃいけない存在だなあの人は

　

　

　
それから、Aさんの事をあまり褒められなかった事

これについては、人見知りも関係しちゃうけど
今まで女の人をあまり褒めたりとかしたことなかったから
どんな風に褒めたらいいかわからなかった

　
髪型とか洋服とか前見た時とは違って
可愛いなぁ～って思ったんだけど
みんなの前で言うのは恥ずかしすぎるもん

　

　

　

　
めめとか、こうじくん、ふっかさんにも聞いてみようかな

　

　

めめは自然に褒めたりするのとか得意そうだけど
あの２人はどんな感じで褒めてるのか
想像つかないなぁ(笑)

ふっかさんなんて特に謎だ

　

　

　

　

それでもこんなに前向きな姿勢になれたのは
Aさんを好きだって自覚したから

　

　

　

もっと知りたいし、知って欲しい
今日会って改めて思った

　

　

　
目の前にいるAさんの事をずっと見ちゃうのも
おかしな事言わないようにって緊張しちゃうのも
渡辺さんが危険な存在だって感じたのも

　

　

やっぱりAさんの事を好きだからなんだ

　

　

　

だから今後もせっかく繋がれたこの関係を
切れさせないように頑張らなきゃ

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