213:ハードル ページ13
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キスを待つその目は私を捉えて離さない。気恥ずかしさを抱えながらも、形の良いその唇に吸い寄せられるように自分の唇を重ねていた。
そっと重なり合った唇を離せば目が合って、満足げに口元を緩まし微笑む櫻井が視界いっぱいに広がる。
「どうする？」
「…どうするって何？」
「飯食う前に一回…」
「ご飯食べるのが先！」
言い掛けた言葉を遮り、食い気味にそう答えれば、その反応が可笑しかったのか、櫻井はふっと鼻先で軽く笑った。
そして私の頭にぽん、と右手を置き、「ご飯もう出来てたりすんの？」と私の目線に合わせるように腰を曲げた。
割と身長差があるから、ちょっと子ども扱いされているような仕草に思える。だけど、それも悪くない、なんて思う。
「うん。だから先に食べる」
「すっげぇ楽しみにしてた」
その気持ちを表しているみたいに、ポンポン、と右手が弾む。
「期待しないでっていう意味だったのに」
「期待しとけって意味にしか捉えらんねぇだろ普通」
そう言った櫻井の手が頭の上から離れ、櫻井は素早く靴を脱いで部屋に上がった。
逆手に捉えるところは意地悪な櫻井らしいけど、想像の倍以上期待しているように思えて本当に困る。
「本当にそういう意味で言ったわけじゃないの！」
「はいはい」
「私そんなに料理得意じゃないから本当に期待されるのは困る！」
「あっそ」
必死にハードルを下げるようにと言論する私を面白がるように軽くあしらって、ネクタイを緩めながら自分の家のように櫻井は洗面所へと向かう。そんな櫻井の背中を追う私。
「あっそ…じゃないの！もう！ちゃんと聞いてる？」
なんて背中に投げ掛ければ、手を洗った櫻井がくるっと振り返った。
その瞬間、私の唇をいとも簡単に塞いだ。
「お前の作ったモンなら何でも美味いに決まってんの」
あまりにも突然の出来事に硬直してしまえば、少し面倒臭そうに櫻井はそう言った。
表情とは裏腹に紡がれた言葉の甘さに胸がときめく。
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妃紀(プロフ) - 彩佑実さん» コメントありがとうございます！Twitterもありがとうございます(*´ω｀) 仲直りした二人なので甘々続きです(笑)楽しんで頂けているようなら嬉しい限りです。私も櫻井大好きです〜！！次回もお楽しみにして頂ければ幸いです♪ (2020年1月18日 22時) (
レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - お久しぶりの更新ありがとうございます！ Twitterでもちょこちょこいいね等させて貰ってます(^^) 今回も甘々で、想像するだけでも幸せで読みながらずっと口角が上がりっぱなしでした(笑) 喫煙所の櫻井大好きです！ 次も甘いのが続きそうなので楽しみです( ´ ▽ ` ) (2020年1月14日 1時) (レス) id: 4a3840fd47 (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます♪櫻井はツンデレなので時に甘々な顔も出します(笑)だけど彼のことだからそれは計算してやってます( *´艸｀)キュンキュンしてもらえて嬉しいです…！ (2019年12月20日 20時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 喫煙所の翔ちゃん…私の中では｢俺様｣感が強いですが〜自ら｢キスして？｣と甘える翔ちゃんにキュンキュンしました(笑) (2019年12月19日 10時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ななたん(プロフ) - そうなんですね！わざわざありがとうございます完結まで毎更新楽しみにしてます！ (2019年10月30日 22時) (レス) id: b8e307a5cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年10月22日 23時
