176:理由もなく ページ16
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「もう何っ、離してよっ！」
掴まれた手を振り切ろうとすれば、反対に強く腕を引かれ、その勢いのままに身体が櫻井の胸に飛び込んだ。
ギュウっと痛いくらい背中に櫻井の腕が回り、身体を締め付けられる。
もがくことも出来ないくらいの腕力。
「離すわけねぇだろ！お前が俺のこと嫌いでも俺はお前が好きだから離さねぇよ」
頭上から聞えてくる声。荒っぽく響くその声が鼓膜を刺激する。
一ミリの隙間もなく密着した身体。全身を覆う熱と、香る匂いにドキドキする。
タバコと香水の混ざったこの匂いが好きで仕方ない。
久しぶりに感じた櫻井の匂いに、涙が出そうになるほど好きが溢れた。
強がって嫌いって吹っ切ったくせに、何でこんなにも好きなんだろ、訳分かんない。
「悪かった、お前のこと避けてて。いろいろイラついてたんだよ、自分に」
はあ、と深く息を吐く音。身体の振動がすぐ近くで伝わってくる。
「そんなときにお前が俺以外の男と飯行ったり、俺のいないところで後輩に何かされたりしてさ…すげぇイライラが止まんなくて、こんな状態でお前と話したら感情的にしかなれねぇからわざとお前のこと避けてた」
ギュッと絡みつく腕は力強くて、抜け出すことは不可能に近かった。
相変わらず力加減がバカみたいで、それが何だか今は懐かしく思えて、胸の奥がキュッと詰まった。
何でこんなに、好きで仕方ないんだろう。
嫌われても、避けられても、呆れられても、好きな気持ちは薄れない。
何度も何度もあなたの好きな理由を探しても、一向に見つかる気配はない。
多分ずっと、見つからない。
理由もなく、あなたで心が埋もれていくんだ。
きっとこの先も、好きが更新されていく。
強がった言葉は一瞬にして粉々に砕けていた。
意固地な私の素直になれない気持ちを、櫻井の体温が溶かしていく。
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妃紀(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます♪おそらく櫻井は好き過ぎて堪らない彼女に指一本触れさせたくないと思ってると思います(笑)6章も読んでくださると嬉しいですー！ (2019年10月22日 22時) (
レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - キスとハグだけ？私も翔さんと一緒で〜許せないかも(￣▽￣;)触られるだけでやっぱり嫌だ！私の愛も翔さん並に重いのかも(笑) (2019年10月19日 19時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - 結城さん» やっと！仲直りしてくれました〜！本当にすれ違いが酷くて、ここまで辿り着くのに時間がかかりましたね(笑)今後も楽しんで頂けるように頑張ります(*´ω｀) (2019年6月23日 23時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - みかぽさん» みかぽさん！お久しぶりです！コメントありがとうございます♪やっと仲直りしてくれましたよ〜！イチャコラして欲しいですね(´艸｀*) 二宮くんの気持ちを考えると切ないですが、きっと誰か素敵な人が現れるはずです…！更新頑張りますね♪ (2019年6月23日 23時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 仲直りきたー！ありがとうございます(;_;)この瞬間を待ってました(〃ω〃) (2019年5月21日 8時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年2月11日 21時
