*031 長野side ページ34
岡田は理解したのかニコッと笑った。そしてカレンダーの方を見て顔が少しくぐもった
岡田「うん、わかったよ。あ、ひろし今日会議だよね、」
岡田はいつもいつも俺のこと気にしてるよね、まだ責任感じてるんだね…あれは岡田のせいじゃないよ
今日も頑張る、いつもと同じように時間が過ぎていくのを待てばいい。大丈夫だよ岡田?そんな顔しないでったら
僕は一度瞬きをして笑った
何だか腑に落ちない様子だったけどしょうがない
岡田と坂本くんを置いてリビングをでた
―プルルルル
突然ケータイが鳴り出した
こんな時間に誰だろう…
長野「はい、長野です。」
井ノ原「すみません、一年六組岡田くんの担任の井ノ原と申します」
長野「ああ井ノ原先生ですか、すみませんがこれから仕事なので、またかけ直します」
井ノ原「…ッ」
―プチ
井ノ原先生が最後に何か言いかけたけど切ってしまった
きっと今日のことを聞きたかったのだろう…
でも今は仕事に集中させてください。
―ガチャン
僕は家を出た
気づくと今は20:01だった。
21時の集合に間に合わせなきゃ
僕は浮かない足を急がせた。
**************
何時ものように新メニューの打ち合わせが始まり色々な店を回っていた
大勢は苦手だ…たくさんの音や気持ちが一気に押し寄せて来るから…
そう思って目の前のメニュー表を見ているとふわふわと浮かび上がってきた
あれ?
…まだ三件目なのに視界がぼやけてきた
あれ…やばい…
今日は授業参観もあって疲れているのだろう、ちょっと落ち着かなきゃ
ワイワイと周りの声や物音が頭に響く
長野「ちょっとお手洗いに」
覚束ない足を悟られないようにゆっくり歩を進めた
蛇口を思いきり捻った
水を一杯に含み吐き出す
気持ち悪い…
大丈夫…
しばらくこうすればもとに戻る…
まだお酒も飲んでないし、此処でダウンするわけにもいかない
ちゃんと新メニューを考えなくちゃ…
僕は無理矢理足を出口に向けた
それから何軒まわったかわからない。いつも案やら何やら口に出すようにしていたけど…今日は一軒目から体調が悪かったし、三件目にはほとんど喋らなくなっていたし…ちゃんと話が出来ていたかわからない。
皆、今日は不信に思ったはすだ、
もし、クビになったら…
岡田にこれ以上の負担はかけられない…
まずい、もうちょっと頑張らなきゃ
時計を見ると 26:38
ここで最後の店となった
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作者名:みりん | 作成日時:2016年8月27日 9時